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12月08日-04号

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  1. 福井市議会 2021-12-08
    12月08日-04号


    取得元: 福井市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-12-29
    令和 3年12月定例会               福井市議会会議録 第4号            令和3年12月8日(水曜日)午前10時1分開議〇議事日程及び会議に付した事件 日程1 会議録署名議員の指名 日程2 市政に対する一般質問──────────────────────〇出席議員(32名) 1番 岩佐 武彦君   2番 酒井 良樹君 3番 山田 文葉君   4番 榊原 光賀君 5番 寺島 恭也君   6番 津田かおり君 7番 近藤  實君   8番 水島 秀晃君 9番 池上 優徳君   10番 福野 大輔君 11番 八田 一以君   12番 菅生 敬一君 13番 伊藤 洋一君   14番 泉  和弥君 15番 藤田  諭君   16番 中村 綾菜君 17番 田中 義乃君   18番 村田 耕一君 19番 片矢 修一君   20番 玉村 正人君 21番 堀江 廣海君   22番 下畑 健二君 23番 鈴木 正樹君   24番 奥島 光晴君 25番 今村 辰和君   26番 野嶋 祐記君 27番 堀川 秀樹君   28番 青木 幹雄君 29番 石丸 浜夫君   30番 見谷喜代三君 31番 皆川 信正君   32番 加藤 貞信君──────────────────────〇欠席議員(0名)──────────────────────〇説明のため出席した者 市長         東 村 新 一 君 副市長        西 行   茂 君 企業管理者      前 田 和 宏 君 教育長        吉 川 雄 二 君 都市戦略部長     桑 原 雄 二 君 総務部長       塚 谷 朋 美 君 財政部長       田 口 春 彦 君 市民生活部長     廣 瀬 峰 雄 君 福祉保健部長     齊 藤 正 直 君 商工労働部長     寺 井 道 博 君 農林水産部長     清 水   拓 君 建設部長       増 永 孝 三 君 工事・会計管理部長  佐 野 仁 則 君 上下水道経営部長   土 田 将 一 君 上下水道事業部長   海 道 克 也 君 教育部長       林   俊 宏 君 監査事務局長     小 嶋 美智代 君──────────────────────〇事務局出席職員 議会事務局長     松 井 優 美 議会事務局次長    吉 田 裕 彦 議事調査課長     尾 野 嘉 貞 議事調査課長補佐   塚 本 大 祐 議事調査課主幹    田 原 弥 香 議事調査課副主幹   生 駒 敏 明 議事調査課主査    岩 田 聡 子 議事調査課主事    矢 野 順 意────────────────────── ○議長(皆川信正君) 出席議員が定足数に達しておりますので,議会は成立しました。 よって,これより会議を開きます。────────────────────── ○議長(皆川信正君) それでは,日程1 会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は,会議規則第88条の規定により,23番 鈴木正樹君,24番 奥島光晴君の御両名を指名します。────────────────────── ○議長(皆川信正君) 次に,日程2 市政に対する一般質問を許可します。 それでは,16番 中村綾菜君。 (16番 中村綾菜君 登壇) ◆16番(中村綾菜君) おはようございます。無所属の中村綾菜です。通告に従いまして一般質問を行っていきます。よろしくお願いいたします。 朝一番ですので,明るく前向きに未来についての質問から先にさせていただこうと思います。よろしくお願いいたします。 まずは,本市の各種計画SDGsとの関係性について質問させていただきます。よろしくお願いいたします。 来年度改定される各種計画には,SDGsの視点を取り入れる,誰一人取り残さないといったSDGsとの関係性が書かれているものも出てきました。 では,なぜSDGsが本市に必要なのか,SDGsは本市にどのような可能性をもたらすのか,SDGsは市民の生活にどう影響を及ぼすのか,本市のお考えをお聞きいたします。 私は,SDGsを世界の未来を変える17の目標と捉えておりまして,この可能性を高く感じ,これをより多くの方に届けたいと,様々な資格を取得したり,SDGsのファシリテーターとして企業や団体,学校などで講演したり,授業を行ったりさせていただいております。そこで感じることは,SDGsを取り入れないと取り残される危険性があるということです。 SDGsを導入した企業はこぞって売上げを伸ばし,組織改革に成功し,よりよい人材の確保に成功しております。子どもたちは,教科書や課外活動などでSDGsを学び実践しています。子どもたちにとっては自分たちの未来に直結することでありますので,子どもたちのほうが大人よりもよっぽどよく知っている,そして危機感を持って取り組んでいると感じております。 この子たちが大人になると世の中はどう変わるのか,すごく楽しみであるのと同時に,このSDGsをしっかりと導入しなかった企業は取り残される,選んでもらえないというような事態に陥るのではないかと危機感も感じております。自治体も同じだと思います。若者が減る,そして人口の流出が加速するということが予測されます。 では,SDGsをしっかりと導入するとはどういうことかと申しますと,SDGsには1.0から4.0まであると言われております。1.0は,まず既存の事業にSDGsを取り入れること,当てはめてみること,そして2.0は改善していくこと,3.0は新しい事業につくり替えていくこと,4.0は同時多発的な取組になるように仕組み化することというように言われております。 この視点から本市の各種計画を見てみますと,SDGsの目標を各種事業に当てはめているだけなのではないかなと感じます。つまりはSDGs1.0の取組であるというように感じております。 では,どのようにSDGs1.0から4.0へステップアップさせるのか。SDGsには3つの視点があると言われております。この視点を取り入れることが大事と思います。 まず1点目は,バックキャストの視点です。 SDGs自体バックキャスティングで考えられております。2030年の世界はこうなっているんだと決めたのがSDGsでありまして,ではどうやってやるのかということが今問われております。一つ一つ積み上げるやり方でやっていると,SDGsの目標やターゲットを見て,そんなの無理でしょうなどと言われるのも仕方ありません。それはそもそもの視点が違うからです。この考え方を共有していかないと取組は進みません。 さて,本市の各種計画では,SDGsが掲げる2030年の世界や数値目標,特にターゲットをこれと決めた上で各種事業をつくっていますでしょうか。各種計画には数値目標が書かれておりますが,SDGsターゲットを捉えて数値目標を積算していますでしょうか,お聞きいたします。 2点目は,物事の本質を捉えること,そして包括的なアプローチをすることが大事ということです。 以前,議会でも申し上げたかもしれませんが,皆さんは風が吹けばおけ屋がもうかるという言葉を御存じでしょうか。思わぬところに物事の影響が出るからこそ,物事の全体像を捉えることが大事という意味のことわざです。 では,スナック菓子地球温暖化という言葉を御存じでしょうか。安いスナック菓子を私たちが求める。すると企業は安いパーム油を求める。そしてより効率的に安いパーム油を作るために大きなヤシ農園を造る。大きなヤシ農園を造るためには森林伐採を行う。そのことにより地球温暖化に影響が出る。効率的に森林伐採を行うためには森を焼く。すると生物多様性にも影響するということです。さらに,そこでは安い賃金で働かされる方や子どもたちが多くいるかもしれませんし,それが紛争や汚職につながっているという可能性もあります。このように経済活動が環境にも社会にも大きく影響するということです。 日本でも同じことがあります。人口減,若者減が地方衰退。インフラ減により民間圧迫。公共交通減により生活弱者と貧困層が生活難。貧困と経済低迷が財政圧迫。財政が圧迫されるとごみが町にあふれる,治安が悪くなるなど,社会問題が経済や環境にも大きく影響しています。コロナの感染拡大でも私たちはこのことを実感させられました。環境が大きくダメージを受けると,社会も経済も大きく影響を受けるということが分かりました。だからこそ物事の本質を捉えることが大事,包括的なアプローチが必要不可欠ということです。この包括的なアプローチの役割を担うのが行政です。 さて,本市の各種計画においては,総合計画がまさしくこの役割を担っており,大きな方向性を示し各事業をどのように推進するかが書かれております。 そこで,質問です。 本市は,経済,社会,環境をめぐる広範囲な課題についてどのように解決するのか。包括的なアプローチをどのように行っていくのかについてお聞きいたします。 最後に,3点目の視点です。SDGs3点目の視点が,誰一人取り残さない,取り残されないという視点です。この言葉が簡単に使われているように私は思いますが,これが一番難しいです。これまでと同じような取組では全く解決できない課題が山積しているからこそ,一つ上の視点からトレードオフに注目し,イノベーションを起こし,パートナーシップでどう解決するかということが問われております。 しかし,各種計画の推進方法を見ますと,行政主体で推進するという方法のみが書かれているように思います。住民や外部の方々も巻き込んで,本市が一体となり推進するためにはどうしたらよいとお考えでしょうか,お聞きいたします。 続きまして,高齢者支援成年後見制度についてお伺いします。 長引くコロナ禍の影響で,地域活動や近所との交流が減り,閉じ籠もりがちになっている方も多いのではないかと思います。精神的につらくなっている方や不安な気持ちで毎日を過ごしている方も多いのではないかと思います。まだまだ油断はできない状況ですが,コロナが少し落ち着いた今だからこそできることは何かについて質問いたします。 まずは,高齢者のフレイル予防についてお伺いします。 フレイルとは,加齢により心身の活力,筋力,認知機能,社会とのつながりが徐々に低下した状態を表した言葉です。多くの人が健康な状態からこのフレイルを経て要介護の状態に陥ると考えられています。フレイルは75歳から急に増え,筋力が低下したり,外出しなくなったり,食欲が落ちたりすることなどで進行するとも言われており,一人で過ごす日が増えて気分が沈みがちになることも要因と考えられています。 初めは聞き慣れなかった言葉でしたが,最近地域でも耳にするようになって定着してきたように思います。 フレイル予防には,栄養をしっかり取ること,運動を行うこと,社会活動へ参加すること,これらをバランスよく行うことが効果的とされています。本市としては,フレイル予防と啓発についてどのように取り組まれているのか,お聞きいたします。 また,フレイルサポーターの養成についてはどのように行っているのでしょうか。現在どのくらいの方が登録されているのでしょうか。 福井県は,全国で唯一県内全17市町でフレイル予防事業を展開しており,全国的にもかなり高い割合と聞いています。フレイルサポーターのさらなる増員に向けて,本市としてどのように取り組まれていくのか,お聞きいたします。 フレイルチェックについてはどのように行われているのでしょうか。 定期的にチェックすることが大事だと聞いておりますが,自宅でチェックできるようフレイルチェックシートなどは配布しているのでしょうか。 自治会型デイホームやよろず茶屋において,保健師やフレイルサポーターが定期的にチェックする仕組みはあるのでしょうか,お聞きいたします。 いきいき長寿よろず茶屋についてもお聞きいたします。 自治会型デイホームとともに地域の介護予防を担っていただいております,いきいき長寿よろず茶屋事業については,近年増加傾向にありますし,今後も増やしていきたいというのが本市の方針ですが,今後の在り方についてお聞きしたいと思います。 なぜかと申しますと,よろず茶屋は事業開始以来,仕組みがほとんど変わっていないからです。これまでと同じような仕組みでよいのか,さらなる拡大ができるのか。いま一度検討してはと思います。 以下,課題を提起いたします。 まずは運営について。運営費に対する補助は,1週間当たりの開催日数掛ける4万円,上限は年間20万円となっております。毎週よろず茶屋を開催し,年間89日開催したとしても4万円しかもらえません。1回当たり449円で,私は少ないように感じております。さらに,毎週行わないといけないというのはなかなかハードルが高いように感じないでしょうか。 越前市の介護予防に一役買っております「いきいきふれあいのつどい」事業は,つどい活動を年12回以上開催,計画していれば運営費に対して交付金がもらえることとなっており,年24回以上開催すると運営費に対する交付金が加算されるという仕組みです。また,年6回以上子どもと一緒に活動すると,さらに加算されるそうです。 本市のよろず茶屋で行う事業の内容については,比較的自由に活動できることがメリットであるという感じはしますが,充実した内容にすると費用がかさみ運営を圧迫することにつながります。例えば外部講師などをお呼びしてセミナーや健康体操などを行いたくても,講師料は最低5,000円ほどかかりますので,なかなか毎週,毎月お呼びすることができません。参加者から参加料を多めに取りたいところですが,毎回100円とか安値で行っているところが多くあり,それが定着しているところはなかなか多めには徴収できないというのが現状です。 また,よろず茶屋は運営する側の負担が大きいのも現状で,現在は地域のためにと熱心に取り組まれている方々の善意で成り立っておりますが,持続可能とは考え難いです。少しでも報償費を差し上げていただきたいのですが,いかがでしょうか。 次に,活動場所について。運営委員会の役割に活動場所の確保との文言がありますが,どこか一つの場所に限定する必要はどれぐらいあるのでしょうか。 例えば地域のサークル活動のように趣味で地域の高齢者がつながるということもあります。この場合は,場所は公民館や集会所,体育館など空いている場所があればどこでも活動できると思います。これは,よろず茶屋の全体的な在り方にも関係してきます。今は地域コミュニティーの拠点として,何でも好きに使える場所としてよろず茶屋を設置していると思いますが,高齢者の趣味も多様であり,元気な高齢者も多く,時代に対応したよろず茶屋に変革していくことも必要と思います。 以下,質問です。 よろず茶屋の今後の在り方についてどのようにお考えでしょうか。 今後どのようによろず茶屋を増やしていこうとお考えでしょうか。現在は地域に1つという考え方ですが,自治会に1つという方向性もあるのでしょうか。地域のコミュニティー(趣味など)に1つという考え方もあるのでしょうか。 開催日数の在り方についてどのようにお考えでしょうか。 運営費補助の加算についてどのようにお考えでしょうか。よりよい内容にするために,補助額の増額についてどのようにお考えでしょうか。 運営委員への謝礼支払いについてどのようにお考えでしょうか。 活動場所の在り方についてどのようにお考えでしょうか。 子どもから高齢者まで障害のあるなしにかかわらず集える,地域の集いの場としての活用についてどのようにお考えでしょうか,お聞きいたします。 屋内施設の充実についてもお伺いします。 これから冬本番になり天候の悪い日が続くわけですが,これまで屋外でスポーツを楽しんでいた高齢者にとっては少し不便な時期がやってきます。市内には,屋内でスポーツができる施設として体育館が数か所にありますが,すかっとランド九頭竜のすこやかドームのように室内で屋外スポーツができる施設はあまりありません。特にマレットゴルフ,テニスを行う場所がないとの要望をいただいております。福井は年間を通して雨が多いです。ぜひ検討していただきたいのですが,屋内施設の充実について見解をお伺いします。 成年後見制度の充実について。認知症高齢者も年々増加することが予想されておりますので,成年後見制度の周知と利用促進は不可欠です。本市として今後どのような取組をしていくのでしょうか。 国が各自治体につくるよう指示している成年後見制度利用促進基本計画の策定についてはどのようにお考えでしょうか。 坂井市は,県内の他市町に先駆けて令和2年に成年後見の中核機関を市役所内に設置しましたが,設置前と比べて制度の利用状況はどのように変わりましたか。 高齢者の権利擁護の状況などについてはどのように捉えていますでしょうか。それを踏まえて,本市での中核機関の設置についてはどのようにお考えでしょうか。 成年後見制度の利用が進んでいない背景には様々な課題がありますが,解決には外部の協力が必須です。そこで,弁護士や司法書士,社会福祉士だけではなく行政書士や税理士,社会保険労務士などの他の士業や専門家の活用まで考え,取組を進めていただきたいのですが,お考えをお聞きいたします。 次に,子育て支援と子どものマスク着用についてお伺いします。 先日,国際フェスティバル内で行われました多文化交流子育て広場に参加してまいりました。そこにはベトナムなど海外から福井に来て福井で御出産され,赤ちゃんをだっこしたお母さんたちが10人ほどいらっしゃいました。そのお母さんたちから,慣れない土地で,さらにはコロナ禍での出産がどれだけ大変だったか,そして子育てがどれだけ大変かということについて,少しお話をお聞きすることができました。 その中で,子育て支援センターのことをお話しされていた方がおり,とても助かっているというようなことをお聞きして,とてもうれしく思いました。私の周りのお母さんたちからも子育て支援センターを活用しているという声をよくお聞きします。地域の拠点として,子育ての拠点としてしっかりと機能しているように思います。 しかし,福井市北部の九頭竜ブロック(河合,森田,西藤島,明新,中藤島)にはいまだに子育て支援センターがありません。お母さんたちから何度か要望をいただいております。福井市北部の九頭竜ブロックにおける子育て支援センターの設置について御見解をお聞きいたします。 次に,すみずみ子育てサポート事業についてですが,1時間当たりの利用料金に対して700円を上限に補助される制度で,一時預かり,送迎,家事援助を対象として助けていただけるとてもいい事業です。現在6事業者,10事業所の登録がございますが,今後対象事業所を増やすことは考えているのでしょうか。公募する予定はありますでしょうか。 なぜこのようなことを聞くのかといいますと,市内には子育てを支援する様々な事業があり,すみずみ子育てサポート事業への登録を望んでいるからです。より多くの事業所に参加していただくと利用者も選べる枠が広がり,より隅々まで行き渡った支援となると思います。見解をお聞きいたします。 次に,子どものマスク着用について。9月定例会でも同じ質問をさせていただきました。感染拡大状況を鑑みながら,マスク着用に関しては柔軟に対応してほしいと要望させていただいておりますが,ここ最近の感染状況を鑑みてどのようにお考えでしょうか。 小学校2年生,中学校2年生,高校2年生の子どもたちは,入学したときからマスクを着用するように言われていたため,友達の顔,口元をちゃんと見たことがありません。このような状況でどのようにコミュニケーションを取っているのか,とても心配になります。マスク着用が長引き,もうすぐ2年がたとうとしております。前回も申しましたが,子どもたちはマスクを外せと言われるまでマスクを外そうとしません。大人のように息がつらくなってきたからといって少しの間外すということはなかなかしません。本当にこれまでと同じように常時マスク着用を言い続けるのでしょうか。健康被害が本当に心配です。何か工夫はできませんでしょうか。本市の見解をお伺いします。 最後に,性的マイノリティーへの理解促進についてお伺いします。 人口減少,少子・高齢社会が進行する中,性別や年齢などにとらわれることなく一人一人がそれぞれの個性や能力を発揮しながら活躍できる社会づくりが求められております。このことを踏まえ,今回の定例会に提出された第八次福井市総合計画(案)においては,政策5として「誰もが尊重され,それぞれの個性や能力を発揮しながら,活躍できるまちをつくる」と記されたものと推察いたします。誰もが尊重される社会であるためには,弱者や少数者への温かい心配りが必要であり,大切です。例えば,性的マイノリティーの方々の中には,役所に提出する申請書等に性別欄の記載があることに苦痛を感じる方も多いと聞いております。申請書等における性別欄の記載に関して,本市の現状と類似都市の状況,また今後の本市の対応についてお伺いします。 性的マイノリティーの方々が置かれている状況を知り理解しようとすることは,非常に大切なことだと思っております。差別や偏見にとらわれずあらゆる人たちが等しく幸せを求められるような社会をみんなで考えていくことが大事です。本市においては,今後,性的マイノリティーの方々に対する市民の理解促進のため,どのように取り組んでいこうとお考えでしょうか,お伺いします。 読み上げによる質問は以上です。ありがとうございます。 (市長 東村新一君 登壇) ◎市長(東村新一君) 私からは,性的マイノリティーへの理解促進についての御質問のうち,まず申請書等における性別欄の記載に関して本市の現状,類似都市の状況及び今後の対応についてお答えいたします。 体と心の性が一致しない性的マイノリティーの方々の中には,心の性と異なる性を記載することに精神的苦痛を感じる方も存在すると考えられます。このようなことを考慮し,本市においてはこれまで選挙における投票所の入場券について男女別から数字表記に変更するなど,記載方法の見直しを行いました。また,国の通知を踏まえ,印鑑登録証明書や住民票の記載事項証明書に関して性別の記載を要しないこととしてまいりました。 本市といたしましても,来年度から性別などにかかわらず誰もが活躍できる社会づくりを進める観点から,申請書等における性別記載の全面的な見直しが図られるよう取り組んでまいります。なお,中核市においては,77%が申請書等における性別記載の見直し及び検討に取り組んでおります。また,県内におきましては,福井県,越前市及び鯖江市において同様な取組を進めております。 次に,今後の本市における性的マイノリティーの方々に対する市民の理解促進の取組についてお答えします。 性的マイノリティーを含む人権の擁護のためには,市民一人一人が人権に対する意識を高めることによりお互いに尊重し合い理解し合える地域社会を築いていくことが必要です。 本市では,これまで福井市人権教育・啓発方針に基づき講演会や研修会,街頭啓発などによりまして人権教育・啓発に取り組んでまいりました。人権について学び理解を深めることで,人権の担い手としての当事者意識が芽生え,周囲に対して人権意識の輪を広げていくことができるものと考えております。 現在策定を進めております福井市第6次男女共同参画基本計画では,多様な性について理解し偏見や差別をなくしていくため,講座の開催など正しい知識の普及や多様な性を尊重する意識の醸成を図る取組を盛り込んでまいる予定です。 様々な価値観や多様性を認め合える意識づくりのため,今後さらなる啓発や教育の充実等に取り組み,性別や年齢等にとらわれず,誰もが尊重され地域社会で安心して暮らすことのできるまちづくりを進めてまいります。 (福祉保健部長 齊藤正直君 登壇) ◎福祉保健部長(齊藤正直君) 高齢者支援成年後見制度についてお答えします。 まず,フレイル予防と啓発に関する取組です。 本市では,毎年福井市元気度調査票を各世帯に配布し,筋力の低下や栄養状態,口腔機能等について自己チェックを促し,自主的なフレイル予防の取組につなげています。また,自治会型デイホームやよろず茶屋においても,参加者に元気度調査票を用いた自己チェックを行っています。あわせて,自宅でできる体操の紹介や低栄養予防のための食事,口腔機能を維持するための口腔体操やセルフケア等についての啓発を行っています。 次に,フレイルサポーターの養成についてです。 本市では,令和元年度よりフレイルサポーター養成講座を開催してサポーターの養成に取り組んでおり,サポーターの登録数は10月末現在で39人となっています。養成講座については,市政広報で広く市民の方の参加を呼びかけており,今年度も19人が受講されました。また,既にサポーターになっている方に対しても,活動に結びつくよう練習会を開催するなど支援を行っています。 今後も引き続き,フレイルサポーターを増やす取組を進めてまいります。 次に,フレイルチェックの実施内容についてですが,フレイルチェックでは手足の筋肉量,握力,口腔機能,ふくらはぎ周り等の計測に加え,口腔,栄養,社会参加に関する40項目の問診,結果説明等を行っています。今年度は,市健康管理センター等で2回実施し,29人の参加がありました。今年度末までにさらに3回の開催を予定しています。 また,地域の介護予防教室では,保健師等が自宅でも簡易チェックができるシート等を活用し,フレイル状態の把握と予防の啓発に取り組んでいます。今後,自治会型デイホーム等で定期的なフレイルチェックを実施したいと考えております。 次に,よろず茶屋の今後の在り方及び実施箇所を増やす方策についてお答えします。 よろず茶屋は,高齢者が気軽に集い,趣味活動を通じた交流及び介護予防を行う地域の拠点として設置しているものです。現在,市内30地区に41のよろず茶屋が設置されていますが,残り19地区には設置されていない状況です。そのため,まずは全地区での設置を目指し,未設置地区を中心に事業説明を行い,同時に事業運営に関心のある人を把握するなど,設置に向けた支援を行ってまいります。 なお,地域の拠点として位置づけているため,自治会ごとや一つの趣味ごとでの設置は想定しておりません。 次に,よろず茶屋の開催日数ですが,介護予防に加えて生きがいづくりを促進するための活動機会を確保したいという狙いから,開催日数については原則週1日以上としています。ただし,開催日数の上限は設けておらず,各運営委員会において実情に合わせた判断をお願いしています。 次に,運営費等の経費についてですが,よろず茶屋は地域住民によって結成された運営委員会が活動内容や活動場所を各自で決定し,運営を主体的に行うものであり,市は運営委員会に対して運営に係る各種経費を補助しています。運営費は,1週間当たりの開催日数によって年間20万円まで加算される仕組みとし,運営費とは別に活動時の保険料や会場使用料も補助しています。そのため,運営に必要な支援はできているものと考えており,新たな加算や運営委員への謝礼は考えておりません。 次に,よろず茶屋の活動場所についてですが,地域の高齢者の誰もが継続的に参加できる拠点としては,決まった場所,曜日,時間に交流できる場であることが重要です。ただし,活動内容によっては決まった拠点で実施することが難しい場合もあるため,通常の拠点に加え市内の体育館や公園,公共施設等を活動場所とする場合もあります。 なお,子どもから高齢者まで,障害のあるなしにかかわらず集える場としての活用については,既に児童クラブや子ども食堂等との交流を行っているよろず茶屋もございます。可能であれば,子どもや障害者等も含め多様な交流を進めていただきたいと考えております。 次に,成年後見制度利用促進基本計画の策定についてお答えします。 基本計画については,国の成年後見制度利用促進基本計画を勘案して市町村において策定に努めるとされています。本市においては,ふくい嶺北連携中枢都市圏ビジョンに利用促進体制整備を位置づけ,嶺北市町及び関係団体と共に策定を進めており,現在最終の詰めの段階となっているところです。 次に,坂井市の状況と本市での中核機関の設置についてお答えします。 既に中核機関を設置した坂井市では,成年後見制度に関する相談件数が基礎的な知識に関する内容も含め増加したと聞いております。このことは,市民への成年後見制度の周知が進み,気軽に相談できるようになった結果であり,中核機関を設置した効果が現れてきているものと考えています。 本市においても,来年度の中核機関の設置に向けて準備を進めておりますが,設置により制度の利用促進につながるものと考えています。 次に,専門職の活用の取組についてですが,計画を策定するため設置した成年後見制度利用促進体制整備連携協議会には福井県医師会や福井県介護支援専門員協会,障害福祉サービス事業者等の関係団体の代表者に参加していただいており,御意見をお聞きしています。 今後,制度の利用を促進していくには,弁護士や司法書士,社会福祉士だけでなく行政書士やその他様々な専門職の協力が必要となりますので,各団体と連携の強化を図ってまいります。 次に,子育て支援と子どものマスク着用についてのうち,子育て支援についてお答えします。 まず,市北部の九頭竜ブロックにおける子育て支援センターについてです。現在,九頭竜ブロックには常設の施設はありませんが,森田公民館に子育て支援センターの職員が出向いて事業を実施する出張ひろばを月6回から8回開催しています。そのほか,認定こども園や保育園において在園していない親子でも自由に園に遊びに行ける日を設けるなど,地域での子育て支援事業も行っております。 しかし,森田地区は子育て世帯が増加しており,子育て支援センターの設置を求める声も聞いています。これらのことから,九頭竜ブロックにおける未就園児の子育て相談支援の充実について検討してまいります。 次に,すみずみ子育てサポート事業についてです。 現在の対象事業所は,一時預かりが8か所,家事支援が2か所あり,昨年度は延べ約1万4,500人が利用しています。 なお,ここ数年で事業者の廃業により一時預かりが10か所から8か所に,家事支援が4か所から2か所に減少していますが,一方で,一時預かり,家事支援ともに夕方から夜間のニーズが高まっています。こうした現状を踏まえ,保護者の多様化するニーズに応えるため,公募にて事業所を増やすことを検討しているところでございます。 (教育部長 林俊宏君 登壇) ◎教育部長(林俊宏君) 子育て支援と子どものマスク着用についての御質問のうち,子どものマスク着用につきましては,一昨日福野議員にお答えしたとおりでございます。 次に,高齢者支援成年後見制度についての御質問のうち,屋内施設の充実についてお答えいたします。 雨天時や冬期間に屋外スポーツを行うことができる場所としまして,体育館や屋内運動場を利用していただいております。 具体的に申し上げますと,マレットゴルフにつきましては,屋外と同様のコースを屋内に設置することはなかなか困難であるため,屋内用の道具を準備していただいた上で中藤屋内運動場,きららパークふれあいドーム,美山アンデパンダン広場アイアイドームの人工芝の施設のほか,全ての体育館で行っていただくことが可能となっております。 また,テニスにつきましても,今ほど挙げた施設で行うことができ,実際に多くの方に利用いただいております。 屋内スポーツ施設といたしましては,体育館が7館,屋内運動場がすこやかドームも含めて4施設あり,高齢者が主に利用される平日の日中は十分に空きがございますので,これらを有効に利用していただきたいと考えております。 (総務部長 塚谷朋美君 登壇) ◎総務部長(塚谷朋美君) 本市の各種計画SDGsとの関係性についてお答えいたします。 まず,SDGsに関する本市の考えについてお答えいたします。 本市におきましては,SDGsに掲げられた17の目標と市政運営において目指すべき大きな方向性は同じであると捉えております。市民の豊かな暮らしや持続可能な明るい未来づくりのためには,SDGsの理念をしっかりと踏まえた取組が必要であるとの思いから,本市では当初予算案資料や部局マネジメント方針,総合計画をはじめとする各種計画におきまして各施策とSDGsの目標との関連性を整理してお示しし,市民の皆様への理解促進に努めているところでございます。 次に,SDGs数値目標についてお答えいたします。 本市におきましては,各種計画SDGsの目標との関係を明確にし,計画内に定めた数値目標の達成状況がそのまま本市におけるSDGsの達成度合いを示すものと考えております。そのため,目指すべき将来像をしっかりと見据え,各種計画の立案及び数値目標の設定を行っております。 次に,包括的なアプローチをどのように行っていくのかについてお答えいたします。 第八次福井市総合計画(案)では,資料2として本市が進めていく各種施策とSDGsの関係が分かるように17の各ゴールと,経済,社会,環境など53の施策とをひもづけた対応表を示しております。このように広範囲な課題に対し第八次総合計画に掲げる各種施策をしっかりと進めていくことにより,本市の将来にわたる持続可能な発展とSDGsの達成につなげてまいります。 次に,本市が一体となったSDGsの推進についてお答えいたします。 SDGsをしっかりと推進していくためには,市民の方々の御理解と御協力が必要不可欠となります。そのため,本市では啓発事業として出前講座を実施しており,今年度既に5件の申込みをいただき,8月から11月中に開催いたしました。また,次世代を担う若者への啓発といたしましては,7月に高校生を対象としてSDGsカードゲームの講座を開催したところ,定員を超えるお申込みをいただきました。 小・中学生を対象にしたものとしては,小・中学校で実施するキャリア教育プログラムの中に,今年度より新たにSDGsに関するプログラムを追加し,既に5校で実施しております。そのほか,誰もが気軽にSDGsについて学び考えるきっかけとなるよう福井市オリジナルのSDGsすごろくを作成し,出前講座や各イベントで使用するほか,ホームページにも掲載いたしました。 今後も市民の方々にSDGsを理解していただき,各自が自分事として取組を進めていただけるようホームページの充実や講習会の開催など周知と啓発に取り組み,本市一丸となったSDGsの推進を図ってまいります。 (16番 中村綾菜君 登壇) ◆16番(中村綾菜君) とても前向きな答弁をたくさんいただきましてありがとうございます。 性的マイノリティーの方への理解促進については市長からも答弁いただき,これまで以上にすごく進んでいく感じがいたしました。ぜひ人権教育も含めて進めていただくよう要望させていただきます。 本当に困っている方々がたくさんいらっしゃるなと思います。私たちが知らないということが本当に大きな障害になっているなと感じております。また,カミングアウトすることで命の危険にさらされることもあるようです。特に男性の方は,自殺率が高くなるということもあって,行政として自治体が受入れ体制を広げていく,配慮していくということがどれだけ大事なことかということを最近いろんな方の話を聞いて感じておりますので,各部署にわたって引き続き御理解いただき,促進していただきますよう要望させていただきたいと思います。 よろず茶屋について以外はどれも前向きな答弁で,再質問しないでおこうかなと思ったんですけれども,子どものマスク着用について1つ質問させてください。 福野議員の質問に対する答弁において,十分な身体的距離が確保できる場合,健康被害の危険があるときはマスクを外してよいと学校に指示していると聞いております。これまでは多分体育とか登下校時がそうだったと思うんですが,感染状況が落ち着いた今,それ以外に何か広げられる余地,何か工夫できるところがあると考えているのでしたら,ぜひ教えていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。 ◎教育長(吉川雄二君) 確かに今感染が落ち着いているという状況です。各学校には,マスク着用については基本的にガイドラインを守るようお願いはしておりますが,御承知のように,体育の時間,給食の時間は基本的にマスクを外しています。それから,先日校長先生たちと話をしましたところ,子どもたちも息苦しくなったりするときがどうしてもあるので,マスクの下端を持ち上げて,授業中などでも唾が飛ばないような形で息をすると大分楽になるということでしたので,これを学校でも認めているといいますか,やらせており,大分緩和はされているのかなとは思っています。ただ自分が無症状であったりする場合に人にうつさないという観点もやはり大事ですので,そういったところも含めまして学校には臨機応変に対応するように今申しているところでございます。 (16番 中村綾菜君 登壇) ◆16番(中村綾菜君) そのように具体的な方法があるのでしたら,ぜひそれを全校的に広げていただきたいのと,子どもたちは臨機応変と言われても理解できないので,このようなときには外していいというのを具体的にしっかりと示していただきたい。 さらには,福野議員もおっしゃっていましたけれども,しゃべらないときとか議論しない授業中とかいろいろあると思います。休み時間に少し離れる機会をつくるといったこともできるかもしれないですし,小規模校などでは丸く円になって給食を食べたら話ができるのではないかとか,富山の教育委員会は工夫しておられましたけれども,そうやっていろんな工夫ができると思うんです。例えば,私たち議員は控室に戻ったらマスクを外せるとか,大人はいろいろとそういう状況を自分たちでつくることができるんですけれども,子どもたちはとても真面目なので一日中着けている。この間,福井市子ども会育成連合会で一緒にバーベキューをしたんですけれども,やはりマスクを着けながら食べていました。マスク会食を徹底しましょうと大人に言ってもなかなかできないのに,子どもたちは徹底してやっているんですよ。そういう姿を見ると,もっと大人が工夫してあげたい,そして子どもたちの声をしっかりと聞いてあげてほしいと感じます。ぜひ子どもたちの声を聞くということにも工夫していただきたいなと要望させていただきますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(皆川信正君) 次に,7番 近藤實君。 (7番 近藤實君 登壇) ◆7番(近藤實君) 近藤實です。8点について質問いたします。 1,福井市ゼロカーボンシティ宣言について。 今年3月24日,本市ではゼロカーボンシティ宣言を行いました。私は,大変大事なことであり,とてもよいことだと思っています。宣言文には,次のように書かれています。 「本市では,令和3年度からの『第4次福井市環境基本計画』を,このたび策定いたしました。この計画では,2050年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指しており,本市として『ゼロカーボンシティ』の実現に向けた取組を着実に進めていくことを,本日ここに宣言いたします。」 ここで質問です。 本市として,ゼロカーボンシティの実現に向け現在取り組んでいること,また今後取り組んでいくことを具体的に教えてください。 次に,これに関連して新クリーンセンターについて伺います。 令和8年度からの稼働になりますが,焼却炉等による二酸化炭素排出量は年間3万8,659トンとのことです。現クリーンセンターの焼却等による二酸化炭素排出量は年間3万2,094トンですから,単純比較では6,565トンほど増加することになり,1.2倍になります。ただし,新クリーンセンターでは汚れたプラスチックを燃やすことや,発電量については北陸電力が発電した際に発生する二酸化炭素に換算した値が1万5,715トンであり,現クリーンセンターの6,054トンに比べ大きく増加することがあります。 ここで質問します。 ゼロカーボンシティの観点から新クリーンセンターはプラスの効果があると考えてよいのでしょうか。 2,子宮頸がんワクチンについて。 子宮頸がんなどの原因となるヒトパピローマウイルス,HPVの感染を防ぐワクチンについて,厚生労働省は11月12日,積極的な接種勧奨を再開することを決めました。 しかし一方で,HPVワクチン薬害訴訟全国原告団・弁護士団は,深刻な被害実態を無視した不当な結論だとの抗議声明を発表しています。 原告団の一人で福岡県の梅本美有さん(23歳)は,体中の痛みや倦怠感に悩まされ,今でもベッドの上で過ごすことがよくあるといいます。「ワクチンのせいで私の人生はめちゃくちゃになった。私たちの被害から目をそらさないでほしい」と訴えた。国と製薬会社に損害賠償を求める訴訟は各地で起こされ,原告は130人とのことです。以上は福井新聞からです。 次に,朝日新聞デジタルからです。 最もデリケートな年齢の注射,本人の意向を尊重して。 HPVワクチンの定期接種の対象は,小学校6年生から高校1年生相当の女性で,中学校1年生のときに3回接種するのが標準的なスケジュールになっています。ただし,小学校高学年から高校にかけては体が成長し,進学などで生活環境も変わりやすい。ワクチンに詳しい岡部信彦川崎市健康安全研究所長は,「最もデリケートな時期でもあり,その年齢での接種に縛られなくてもよい。接種するかどうかを自分で決められる年齢になってから接種しても遅くはない。本人の意向を尊重することが大事だ」と話しています。 また,現在の厚生労働省のリーフレットには次の記載があります。「ワクチンの『意義・効果』と『接種後に起こりえる症状』について確認し,検討してください」,「HPVワクチンは,積極的におすすめすることを一時的にやめています」,「まれですが,重い症状が報告されています」。 ここで質問です。 来年4月1日をめどに積極的勧奨が再開されます。私は不安があります。福井市でワクチンを接種した子どもたちの中から一人も重篤な症状が発生しないことを願っています。福井市ではどのようにワクチンの接種に取り組んでいかれるのでしょうか。 3,福井市第6次男女共同参画基本計画(素案)について。 まず,ジェンダーという言葉についてお伺いします。 内閣府男女共同参画局のホームページには,第5次男女共同参画基本計画用語解説があります。そこで,ジェンダーについては,社会的・文化的に形成された性別のこと,社会的・文化的に形成された性別はそれ自体によい悪いの価値を含むものではなく国際的にも使われていると書かれています。 ここで質問です。 男性像・女性像は男らしさ・女らしさと言われることも多いと思いますが,最近は男らしさ・女らしさを求める,強調することは悪いことのような風潮があります。男女共同参画社会基本法の理念は,男らしさ・女らしさを否定するものではないと思いますが,答弁をお願いします。 次に,福井市第6次男女共同参画基本計画(素案)についてお伺いします。 第3章,基本的施策1-4には,多様な性を尊重する意識の醸成とあり,主な取組として,「講座を開催し,多様な性に関する正しい知識の普及に努めます。」,「研修会等を開催し,一人ひとりの多様性を認め合う意識を醸成します。」と書かれています。多様な性とは何でしょうか。 私は,多様な性,あるいは性の多様性という言葉は慎重に適切に使うべきだと思います。この頃,多様な,多様性という言葉は無条件によいことのように考えられている向きがありますが,私は疑問です。私は,性の基本は男と女だと考えます。男女共同参画社会基本法には,多様な性という言葉は使われていません。また,性的指向,性自認(性同一性)という言葉も使われていません。 基本法の第1条には,「この法律は,男女の人権が尊重され,かつ,社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力ある社会を実現することの緊要性にかんがみ」とあります。男女という言葉が使われています。性の多様性という場合,性はグラデーションであるとか,性スペクトラムという言葉などとともに用いられることがあると思います。私は,性はグラデーションだとは考えていないし,性スペクトラムという言葉を使うときは正しく理解すべきだと思います。 ここで,素案の基本的施策1-4の主な取組についてお伺いします。 講座を開催し,多様な性に関する正しい知識の普及に努めるとのことですが,今年8月18日に福井市男女共同参画・子ども家庭センターが開催した「誰もが自分らしく生きることを認め合う学校づくりのために」という講座がありました。この講座のテキストには,男らしさ・女らしさはそれぞれの時代の社会秩序,国家体制の維持のために形を変えてきた,2013年から2017年,世界各国で同性婚を合法化するなどの言及があり,過激な女性学あるいは講師個人の世界観が表明されており,不適切な内容であったと考えています。 ここで質問です。 講座や研修会の開催に当たっては,客観的な学問の裏づけがある講座となるように人選を含め十分な配慮をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。 4,企業誘致について。 昨年度の主要な施策の成果等報告書によると,企業誘致促進事業5億8,500万円のうち企業立地支援事業助成金が5億8,400万円を占めています。そして,企業立地支援企業19社のうち17社は福井市内の企業で,助成額は5億7,700万円です。福井市外の企業は2社で,助成額は700万円です。福井市内の支援企業には東証一部上場企業が含まれており,研究開発施設立地助成金として1億円を助成しています。私は,企業誘致は大変重要なことだと思います。企業立地助成金は,令和元年度5億3,000万円,平成30年度1億4,000万円が支出されていますが,有効に支出されているとは考えられません。助成金は,昨年度,一昨年度と5億円を超えていて大変大きな金額です。私は,企業立地助成金を抜本的に見直すべきだと考えます。東京など大都市圏から優良な企業を誘致するのに使うべきです。優良な企業が来て,様々な取引が始まれば経済効果は大きいですし,従業員の給料水準が高ければ消費性向も高くなります。 私は,現在の企業立地助成金はほとんど効果がないと思っています。土地開発ディベロッパーの友人に,企業が新しい土地を購入し社屋や工場を建設する場合,企業立地助成金が占めるウエートはどれくらいかと聞いたところ,「全く考慮しない。助成金があるから立地を決めたことは一度もない。場所そのものが魅力的かどうか,すなわち地価,アクセスが大事だ。助成金は決めた後のプラスアルファでしかない」とのことでした。また,経営者の友人は,「企業立地を決める際に大事なことは,土地が安いこと,道路がよいこと,交通アクセスがよいこと,団地の近くなど雇用に適したところかどうかなど。すなわち,人と流通と地価だ。助成金のインセンティブは10のうちの1つくらい」と言っていました。 私は,議会事務局を通して,金沢市,富山市,長野市の企業立地助成金についても調べました。どの自治体もなかなか効果が上がっていないようでした。福井市と同様に,主として地元の企業への助成金となっているように思えました。 以上から企業誘致について2つの質問と提案をいたします。 まず,企業立地助成金を抜本的に見直していただきたい。福井市の企業への立地助成金は全く不必要だと思います。東京など大都市圏の優良企業を誘致するのに魅力的な助成金にしていただきたいです。いかがでしょうか。 次に,主要な施策の成果等報告書によると,企業立地に係る調査や企業訪問等を実施しています。企業立地促進事業74万円ですが,市長によるトップセールスや東京事務所の取組を含め,もっと積極的,戦略的な企業誘致活動が重要だと思います。いかがでしょうか。 ○議長(皆川信正君) 質問者はちょっとお待ちください。事務局は質問時間のタイマーを止めてください。 近藤議員から5番目以降の質問に対して資料配付の依頼がありましたので,これを許可しておりますことをお伝えします。 それでは,質問を続けてください。 ◆7番(近藤實君) 5,人事異動について。 (1)女性を部長に抜てきすること。 先日,福井市第6次男女共同参画基本計画(素案)が示されました。第3章,施策の方向3には,政策・方針決定過程への女性の参画拡大がうたわれています。そして,「行政や企業,団体等のあらゆる分野の組織において,多様化する様々な課題に対応するためには,政策・方針決定過程に,男性だけでなく女性も参画し,女性の視点を十分に反映することが必要です。」と書かれています。福井市の場合,本会議の場に出席される部長の中で女性は現在1人です。少なくとも三,四人の女性の方が部長として出席されるとよいと思います。ぜひ福井市から範を示すことをお願いしたいと思います。お考えを伺います。 (2)総務部長。 皆様,配付資料の2枚目を御覧ください。 人事が市長の専管事項であることは重々承知しています。しかし,さすがに毎年,それも議会との調整役,パイプ役を担う総務部長が替わるのはいかがなものでしょうか。 福井市行政組織規則では,総務部の事務分掌として,議会の招集に関すること,議会の議案の調製,提出等に関すること,議会との調整及び議会対応に関することなどを担うことになっていることは私が言うまでもないことです。もちろん個別の人事について,議員の立場であれこれ言うつもりはありません。しかし市長は,議会との調整役,パイプ役を軽視しておられるのではないでしょうか。お考えを伺います。 (3)観光文化局長,未来づくり推進局長。 観光文化局,未来づくり推進局は,平成28年度につくられました。私が議員になって2年目の年です。その3月定例会の一般質問で私は,「今回,大きな組織機構改革が行われます。私は賛成です。中・長期をにらんだ適切な改革だと思います」と申し上げました。私は,組織はトップである部長で大きく変わると思います。トップである部長の役割,責任は非常に大きいと思います。未来づくり推進局長,観光文化局長,その他の部長については,3年程度は一生懸命努力して初めて成果が出るのではないかと思います。 先日,観光文化局のある職員の方から,毎年上が替わって仕事ができない,困っている,そういう話を聞きました。 ここで質問です。 毎年替わるのは何か特別な意図があるのでしょうか。答弁は毎回,強いリーダーシップと高度なマネジメント能力を有する人物,これまでの職歴や適性,能力などを総合的に判断しながら適材適所で職員配置をするという決まったものですが,改善をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。 6,下水道事業会計への一般会計繰出金の積算について。 令和元年度の部局マネジメント方針成果報告書によると,財政部では持続可能で健全な財政運営の推進の目標に対して,達成度は晴れマークとなっております。また,令和2年度の一般会計決算は30億円の黒字でした。大変喜ばしいことだと考えます。このことを踏まえて,次の質問,提案をいたします。 今年の2月10日に,福井市長と福井市企業管理者との間で下水道事業会計に係る一般会計繰出金に関する覚書が締結されました。私は大変適切だと思っています。 第1条には,乙(福井市企業局)は,総務省繰出基準に係る経費のほか,次の総務省繰出基準に基づかない経費を要求することができるとあり,そこには,(3)雨水対策に係る一般財源相当額が記載されています。 ここで質問です。 来年度予算要求では,雨水対策に係る一般財源相当額をぜひとも予算要求していただきたいと思います。いかがでしょうか。 また,第2条には,乙は前条に係る経費を次の表に定めるところにより積算すると記載されています。 ここで質問です。 ぜひ正確に積算していただき財政部との査定に臨んでいただきたいと思います。いかがでしょうか。 7,2億7,500万円(農業排水分)の会計処理について。 まず,事実関係を申し上げます。 (1)上下水道経営部は,農業排水分の経費(一般会計繰入金)として毎年1億2,900万円を一般会計へ要求してきました。これは平成26年度から平成30年度,令和元年度は融雪水と含めて8,100万円の予算要求となっていました。ただし,査定により毎年減額されていました。 (2)昨年の9月定例会で農業排水が下水管につながっていないことが分かり,遡って一般会計に返還することになりました。 (3)その後,財政部との協議で過去6年分として2億7,500万円を返還することと決定しました。いつ決まったのか明確な日付の回答はありません。ただし,2億7,500万円,正確には2億7,596万1,000円については,「下水道事業会計に係る一般会計繰入金の返還について」というエクセル文書があります。この文書について9月定例会で土田上下水道経営部長にお尋ねしたところ,この資料は財政部と返還額について協議するため令和3年3月に作成した内部資料ですとのことでした。 次に,会計処理について述べます。 2億7,500万円,正確には2億7,596万1,000円の返還については,上記(3)により,上下水道経営部は令和3年3月に認識していたと考えられます。下水道事業会計は公営企業会計ですので,発生主義により会計処理することとなっています。したがって,令和2年度決算において特別損失(前期損益修正損)として計上すべきだったと考えます。 令和2年度福井市公営企業会計決算審査意見書では,「下水道事業会計の決算書,財務諸表等は,審査の着眼点等のとおり審査した限りにおいて地方公営企業法等関係法令に適合し,かつ,正確であることを認めた」とのことで,2億7,500万円については意見は述べられていませんでした。代表監査委員のお考えを伺います。 最後に8番目の,2億7,500万円(農業排水分)の返還は予算計上すべきことについて。 このことは,9月定例会の一般質問において詳細に述べましたが,少し観点を変えて質問いたします。 皆川議長,玉村副議長,議員の皆様,これからお話しすることは福井市議会の権威にも関わることですので,ぜひお聞きくださいますようお願い申し上げます。 皆様,配付資料の1枚目を御覧ください。 現状のところ,財政部と上下水道経営部の説明ではっきりしたことは,(1)農業排水に係る過大繰入金の金額は2億7,500万円,正確には2億7,596万1,000円である。 (2)この経費を令和3年度から令和8年度までの6年間で返還する。 (3)返還の仕方は,決算時に確定した繰入金から控除するということです。 以上により,(a)過大繰入金の金額を2億7,500万円と決定した正式な書類はない。覚書に記載はない。 (b)毎年度の返還金額(控除金額)は定まっていない。 (c)福井市民,福井市議会は毎年度の返還金額(控除金額)は決算が終わるまで分からない。(決算を見ても多分分からないと思います)ということが分かります。 次に,地方自治法第210条の総計予算主義の原則について述べます。 総計予算主義の原則。 第210条,一会計年度における一切の収入及び支出は,全てこれを歳入歳出予算に編入しなければならない。 江戸川区のホームページでは,このことについて次のように説明しています。 総計予算主義。会計年度内における全ての収入及び支出を相殺することなく全て歳入歳出予算に計上しなければならないとする原則です。 福井市長と福井市企業管理者との間で覚書を結ぶことは自由です。しかし,覚書よりも自治法第210条のほうが当然に優先されます。一会計年度における一切の収入及び支出は,全てこれを歳入歳出予算に編入しなければならないという法律に沿う形での覚書でなければならないと考えます。令和3年度は〇〇万円,令和4年度は□□万円というように金額が明記されるべきだと考えます。そうすれば,その金額を歳入予算に計上することができます。そして,それに見合う歳出予算を組むことができます。なぜ今回の覚書には総額の記載も毎年の返還金額の記載もないのでしょうか。 ここで質問と提案です。 覚書に過大繰入金の総額と年度ごとの返還金額を記載していただきたいと思います。そして,毎年一般会計の歳入歳出予算に計上していただきたいです。こうすれば,地方自治法第210条の総計予算主義の原則に沿った予算編成となります。そして,福井市民,福井市議会にも説明責任を果たせることになります。いかがでしょうか。 最後に,地方自治法施行令第160条,前年度以前の過誤払いの戻入れについては,現年度の歳入として戻入れされるとの関係から,控除(相殺)ではなく振込としていただく必要があると考えますので申し添えます。控除(相殺)の場合は,不用額となります。 以上です。答弁をよろしくお願いいたします。 (副市長 西行茂君 登壇) ◎副市長(西行茂君) 私からは,人事異動についての御質問のうち,女性部長及び総務部長についてお答えいたします。 まず,女性を部長に登用することについてです。 部長には豊富な知識と経験に加え,強いリーダーシップと高度なマネジメント能力が必要であることから,これまでの職歴や適性,能力などを総合的に判断した上でそれぞれの行政課題に応じて,適材適所の人員配置を行ってきたところであります。 一方,本市は第4期福井市特定事業主行動計画の中で女性職員のキャリア形成の促進やワーク・ライフ・バランスの実現を掲げるとともに,管理職の地位にある女性職員の割合を令和6年度には25%以上とすることを目標としております。今年度は52人,18.7%の女性管理職を登用しており,中核市の平均であります13.8%を上回る比率となっております。 行政運営においては女性の視点や感性は重要なものと認識しており,今後も計画に基づき,研修や意見交換などを通して女性職員の昇任意欲が高まるよう意識啓発を行うとともに,キャリア形成を促進する中で積極的に部長職をはじめとする管理職への登用を行ってまいります。 次に,総務部長の人事についてお答えいたします。 総務部長は,部長として必要となる能力に加え他の部長職を経験するなど幅広い分野での知識,経験を有した職員の登用を基本としております。こうした人事によって組織体制の整備や人事管理,総合計画の立案や進捗管理,行政改革や地方分権の推進,さらには議会に関する調整など,行政運営上極めて重要な職責を過去においても現状においても適切に果たしているものと認識しております。 これまでも何度か同様の質問をいただいており,その都度お答えしておりますが,本市ではその年その年において市全体の行政課題を考慮して最善の人事を行っているところであります。 (総務部長 塚谷朋美君 登壇) ◎総務部長(塚谷朋美君) 福井市第6次男女共同参画基本計画(素案)についてお答えいたします。 まず,男女共同参画社会基本法の理念についてですが,基本法には,男女共同参画社会とは男女が互いにその人権を尊重しつつ責任を分かち合い,性別に関わりなくその個性と能力を十分に発揮することができる社会とあります。また,基本法に基づき策定されている国の第5次男女共同参画基本計画におきましても,男女が自らの意思に基づき個性と能力を十分に発揮できる,公正で多様性に富んだ活力ある持続可能な社会の実現を目指しております。 このことから,基本法は,男女の在り方を男らしさや女らしさという形で整理するのではなく,男女の個性や能力を発揮できる社会を目指していくという考え方に立っているものと理解しております。 次に,講座や研修会についてですが,現在,男女共同参画・子ども家庭センターでは,性的指向や性自認に関する偏見や差別をなくしていくために多様な性に関する正しい知識の普及を図る講座を開催しております。また,今年度策定する第6次基本計画におきましても,基本的施策に多様な性を尊重する意識の醸成を掲げ,引き続き講座や研修会を開催することとしております。 これら講座等につきましては,より正しい理解が進む内容とすることが重要であることから,これまでの参加者の意見や感想を踏まえつつ開催方法等につきまして十分に検討してまいります。 次に,人事異動のうち,観光文化局長,未来づくり推進局長の人事についてお答えいたします。 未来づくり推進局は,地方創生や人口減少対策,地域の特色や強みを生かした地域づくりを全市的に推進するため総務部内に,また観光文化局は,本市の観光と文化を融合し戦略的にシティプロモーションを行うことで観光誘客を促進するため商工労働部内に設置したものでございます。 これらの組織目標の実現のため,局長には所掌する業務に関する専門的知識もさることながら,政策形成能力や関連する他所属との調整など部長職と同様に高度なマネジメント能力を兼ね備えていることが重要であると考えております。今後も市全体の行政課題を考慮した上で最善の人員配置を行ってまいります。 (市民生活部長 廣瀬峰雄君 登壇) ◎市民生活部長(廣瀬峰雄君) 福井市ゼロカーボンシティ宣言についてお答えします。 まず,ゼロカーボンシティの実現には,庁内のあらゆる事務事業において温室効果ガス排出量の削減または吸収への配慮が不可欠であることから,全庁的な推進体制の整備が重要となります。そのため,今年度は福井市役所エコオフィスプランの環境配慮指針を改定し,市有施設におけるLED化の強化や今後新設する施設へのZEB,ZEHの導入の検討,公用車へのエコカーの導入等を盛り込みました。 また,ゼロカーボンにつながる全ての事業をゼロカーボン関連事業と位置づけ,各所属が財政部門に予算要求する前に環境部門とその内容について相談することで,環境部門がゼロカーボン関連事業の全体像を把握及び進捗管理できる体制を構築しました。そのほか,水素を燃料とする燃料電池自動車を公用車として導入し,市民に向けた啓発活動等を実施しています。加えて,庁内においてゼロカーボンシティ実現への理解が深まるよう課長補佐級職員を対象とした研修会も開催いたしました。 国は,今年5月に地球温暖化対策の推進に関する法律を改正し,その中で再生可能エネルギーの利用促進を図るための目標を設定することや,地域の脱炭素化を進める促進区域を設定するよう努めることなどを規定いたしました。 本市といたしましても,今後来年1月頃に国から公表される予定のガイドブックやマニュアル等の内容及び他都市の動向を注視しながら,本市における再生可能エネルギーの導入の現状や今後の可能性等の調査を行い,目標や促進区域の設定についても検討を進めてまいります。 今後も引き続き,環境部門がゼロカーボン関連事業推進の旗振り役となり,2050年のゼロカーボンシティ実現に向け取り組んでまいります。 次に,ゼロカーボンシティの観点からの新クリーンセンターのプラスの効果についてですが,現在,福井区域及び美山区域の汚れたプラスチックはあわら市笹岡の広域圏清掃センターで,また越廼区域及び清水区域の汚れたプラスチックは鯖江市の鯖江クリーンセンターで焼却しています。したがいまして,現在,本市から排出されるごみの焼却に伴う二酸化炭素を含む温室効果ガスは,福井市クリーンセンターを含めた3施設から排出されています。新クリーンセンターが稼働する令和8年度以降は,全ての汚れたプラスチックを新クリーンセンターでまとめて焼却することになりますが,本市から排出されるごみの焼却に伴う温室効果ガスの排出量が増加するわけではありません。 一方で,新クリーンセンターは,現在のクリーンセンターと比べ,より多くの発電が可能となり,電力会社の火力発電等の一部を代替するため,結果として温室効果ガス排出量を削減することとなります。また,ごみ焼却機器の高効率化や施設の断熱性能の向上などにより,省エネ性能が高い施設となる計画です。 新クリーンセンターでより多く発電し,さらに省エネ性能の高い施設とすることで現在より温室効果ガス排出量の削減が可能となることから,ゼロカーボンシティの観点からもプラスの効果があると考えています。 (福祉保健部長 齊藤正直君 登壇) ◎福祉保健部長(齊藤正直君) 子宮頸がんワクチンについてお答えします。 ワクチンの接種については,津田議員にお答えしたとおり,基本的に来年4月から個別の勧奨を実施するよう国から通知があったところです。これを受け,本市ではワクチン接種を進めるに当たり,対象者がワクチン接種について検討,判断できるよう予診票を送付する際にリーフレット等を同封するとともに,ホームページ等の媒体を活用して正しい情報の周知に努めてまいります。 また,接種を実施する指定医療機関に対してワクチンの有効性や安全性等について十分に説明し,対象者等が希望した場合に接種が行われるよう,引き続き周知してまいります。 さらに,国は現在ワクチン接種後に症状が生じた方に寄り添った支援を行うため,接種に係る診療,相談体制の強化を検討しています。 本市としては,対象者がワクチン接種後に体調の変化を感じた場合には,医療機関において適切に相談や診療などの対応が行われるよう協力を求めるとともに,健康管理センターにおいて他の予防接種同様,副反応や健康被害等に関する相談対応を行ってまいります。 (商工労働部長 寺井道博君 登壇)
    商工労働部長(寺井道博君) 企業誘致についてお答えいたします。 まず,企業立地助成金の見直しについてですが,本市では地域経済の活性化と雇用機会の拡大を図るため,市外企業の誘致に加え市内企業の規模拡大に対応した企業立地を推進しております。 本市の企業立地支援制度では,企業が工場等を新設する場合の交付限度額を最大8億円とし,市外企業が新たに立地する場合は土地購入費などの設備投資額に対する助成率を20%としております。これは他市町の制度と比較しても有利な内容であり,制度を活用した企業からは高い評価をいただいているところであります。 この支援制度を活用しまして企業誘致に取り組んだ結果,平成28年度から令和3年度の6年間で,市外企業10社の誘致に結びついており,一定の効果があったものと捉えております。 また,支援制度につきましては,社会情勢や企業ニーズに対応するため,必要に応じて見直しを行っております。 首都圏を中心に地方分散型勤務を進める動きがあることから,今年度から県外企業を対象としたサテライトオフィス立地助成金を創設したところ,東京に拠点を置く企業が今月中に市内にオフィスを開設する予定でございます。 なお,市内企業につきましては,転出防止や成長の促進という観点から支援が必要であると考えており,引き続き取り組んでまいります。 次に,市長のトップセールスや東京事務所との取組についてであります。 これまで,東京,大阪,名古屋などの都市圏を中心に企業誘致活動を行う中で,市長によるトップセールスを実施してまいりました。また,企業立地推進室の職員が東京の企業を訪問する際には,東京事務所の職員も帯同し本市のPRを行ってまいりました。 今後も,今年度創設したサテライトオフィス立地助成金の対象となる企業を中心に,東京事務所と連携を密にして誘致活動を実施するとともに,機会を捉えまして市長によるトップセールスを行い,県外企業の誘致に取り組んでまいります。 (上下水道経営部長 土田将一君 登壇) ◎上下水道経営部長(土田将一君) 雨水対策に係る一般財源相当額の予算要求についてお答えいたします。 昨年の9月定例会でもお答えしたとおり,雨水対策に係る一般財源相当額につきましては,財政部と協議の上,締結した覚書に基づき適切に積算し予算要求してまいります。 (監査事務局長 小嶋美智代君 登壇) ◎監査事務局長(小嶋美智代君) 2億7,500万円は,令和2年度決算において特別損失とすべきではないかとの御質問についてお答えします。 去る11月2日に,同様の内容の質問状が近藤議員から監査委員に対し提出されました。このことにつきましては,監査委員会議においてその対応を審議した結果,個別案件への問いに対して意見を示すことはしないとの回答をお伝えしたところでございます。 次に,令和2年度福井市公営企業会計決算審査意見書への御質問にお答えします。 決算審査に当たりましては,決算書,財務諸表等が地方公営企業法等関係法令に準拠して作成され,経営成績,財政状態及びキャッシュフローの状況を適正に表示しているか,予算執行及び事業経営が適正かつ効率的に行われているかを着眼点としております。関係する会計諸帳票,証拠書類との照合,関係職員からの説明聴取及び実地調査などの方法により適正に審査を実施しているところでございます。 令和2年度下水道事業会計決算につきましては,審査した限りにおいて地方公営企業法等関係法令に適合し,かつ正確であると認めたものでございます。 (財政部長 田口春彦君 登壇) ◎財政部長(田口春彦君) 下水道事業会計への繰出金に関する御質問についてですが,現在係争中の下水道事業会計への一般会計繰出金に関する住民訴訟事件に関わるものでございますので,回答は控えさせていただきます。 (7番 近藤實君 登壇) ◆7番(近藤實君) ゼロカーボンシティについてはしっかり取り組んでいただいて,2050年度にそのようになるようよろしくお願いしたいと思います。 また,子宮頸がんワクチンについても,私はすごく心配しているんですけれども,重篤な症状の人が一人も出ないように対応をよろしくお願いしたいと思っています。 次に,監査事務局長にお尋ねしたいんですけれども,審査意見書については様々な着眼点を基にしながら審査しましたと,正しかったということですが,私はその審査したそれ以外にこういう問題があるのではないかと。この2億7,500万円については,去年9月から議会で私が述べていることであって,当時,土田上下水道経営部長もきちんと決算して返還すると言われたことなので,当然監査事務局も知っていたはずだと思います。また,そのことを去年の12月定例会でも今年の3月定例会でも確認しており,これから適切な返還額を決めると言われていたことなので,知らなかったわけではないと思うんですよ。 そういう様々な観点から見て,私は監査事務局は当然にこういった問題があると,決算書に計上すべきかどうかを判断すべきだったと思うんですけれども,いかがでしょうか。 ◎監査事務局長(小嶋美智代君) 監査委員は,地方自治法において監査基準に従い監査することとされておりまして,本市の監査基準におきましては監査委員は合理的な範囲において自ら入手した十分かつ適切な証拠を総括的に吟味した上で意見等を形成し,結果に関する報告書を決定すると規定されているところでございます。 今回の決算審査に当たりましても,決算審査に必要な関係諸帳票類に不足はございませんでしたので,審査は適正に行われたところでございます。 (7番 近藤實君 登壇) ◆7番(近藤實君) 今の答弁ですけれども,私はおかしいと思います。もっと柔軟に様々なことを自らも調べたり確認したりするのが当然に監査委員の責務であるし,そういったことまで幅広く様々な事実関係を調べるのが当然に監査委員,監査事務局の責任だと思いますので,私は非常に不満です。不適切な監査,決算審査意見書だったと思っています。 最後に財政部長にお尋ねしたいんですけれども,訴訟との関わりがあって答弁しないということなんですが,これは訴訟とは何にも関係ないことだと思います。会計上のこと,あるいは何回も言っているように総計予算主義に関わることであるし,返還金額を毎年ちゃんと決めてくださいと,そしてそのとおりに返還してくださいと言っているだけのことでありまして,これは当然のことだと思うんですけれども,違うのでしょうか。 ◎財政部長(田口春彦君) 現在,下水道事業会計への一般会計繰出金に関しましては,近藤議員を原告とする住民訴訟を起こされておりますので,回答は控えさせていただきます。 (7番 近藤實君 登壇) ◆7番(近藤實君) 今の答弁は本当におかしいと思います。今回の質問はそれとは全く関係ないことなので,私は本当におかしいと思うんですけれども,市長,いかがでしょうか。答弁しないということですけれども,おかしくないでしょうか。市長,お答えいただけるとうれしいです。 ◎財政部長(田口春彦君) ただいま係争中でございますので,回答は控えさせていただきます。 (7番 近藤實君 登壇) ◆7番(近藤實君) 何回も言いますけれども,これは係争中のこととは全く関係ない。2億7,500万円を返還しますと上下水道経営部がはっきり言っており,それをどう返還するのかということです。相殺するのか,予算書及び決算書に計上するのか,ただそれだけのことなんですよ。答弁がすごくおかしいと思います。改めて聞きませんけれども,同じことでしょうから。 もう一つ聞きますけれども,歳入予算,歳出予算に計上したら,例えば年間5,000万円なら5,000万円を歳出予算に計上するわけですから,道路工事とか,教育に対する何かとか,毎年何らかの歳出予算をつけることができる。今の状態だと不用額になるだけなんですよ。これも福井市民にとって不適切なことだと思うんですけれども,いかがでしょうか。 ◎財政部長(田口春彦君) すみません,今の御質問の意味がちょっとよく分からなかったので確認させていただきますけれども,歳出予算をそれぞれ組むということでしょうか。(近藤實君「そうです」と呼ぶ) 歳出予算を組むということに関しては,予算要求があればそれについて歳出予算を組むということはあり得ます。 ○議長(皆川信正君) 残り時間が28秒ですから,その範囲で質問してください。 (7番 近藤實君 登壇) ◆7番(近藤實君) このことはもう言わないでおきます。不適切な答弁だったと思っていますけれども。 最後に,第6次男女共同参画基本計画(素案)についてですけれども,今後研修とか講演会とかがある場合には本当に適切な講演会,研修等を行うようにお願いしておきます。 ○議長(皆川信正君) ここで暫時休憩します。午後1時から再開します。             午前11時46分 休憩──────────────────────             午後1時0分 再開 ○副議長(玉村正人君) 休憩前に引き続き会議を再開します。 一般質問を続けます。 次に,23番 鈴木正樹君。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) 日本共産党の鈴木正樹です。私は市民の命や暮らしを応援する市政を求め,質問を行います。 まず,新型コロナへの対応について質問します。 新型コロナの感染が日本では落ち着いているように見えるものの,接種率が80%を超えたワクチン先進国シンガポールでも過去最悪の流行,お隣の韓国でも過去最大の感染者数を記録,イギリスでは感染者の増大で解除した行動制限の一部を再開し,ドイツやオランダでは過去最多の水準まで感染者が増加しています。アジアやヨーロッパでは感染が再拡大し,世界では明らかな感染拡大が始まっています。 大阪大学医学部感染制御学の忽那賢志氏は,日本の若い世代でワクチン接種率が比較的低く流行の余地が残されていること,ワクチンによる感染予防効果は時間とともに弱まっていくことなどから,第6波の襲来は否定できないとしています。 さらに,南アフリカや世界各国でオミクロン株という新たな変異ウイルスも確認され,50か国以上に拡大しており,WHOはこのウイルスについて,「前例なく多くの突然変異を起こしており,これらのうち一部は大流行へとつながることが懸念される。世界的危険は非常に高い」と評価し,最大級の警戒が必要であるとしています。 政府は,空港などでの入国によるウイルス持込みを防ぐため検疫強化を打ち出しましたが,空港検疫で実施される肝腎の検査は抗原検査です。抗原検査のウイルス感度は50%から90%と言われ,PCR検査に比べ見落としが多いことが専門家から指摘されています。抗原検査は,PCR検査とは違いウイルスの増殖を行わないため,ウイルスの数が少ない場合は検出が難しく無症状感染者の発見が困難です。結果,検疫を擦り抜けていく危険性があります。 日本以外の先進国では,毎週もしくは毎月,無料でPCR検査が国民全体に開かれていますから,空港などでの検疫には,もちろん精度の高いPCR検査が採用されています。WHOが最大級の警戒を位置づけているときに,日本だけが,精度が低く1割以上も見落としのある抗原検査のままでいいはずはありません。空港検疫の強化には,抗原検査ではなくPCR検査で臨むべきだと国に求めていただきたいと考えますが,どうでしょうか。 政府は,ワクチン接種率の高さを誇る一方,相も変わらず国民に広くPCR検査を行うことには後ろ向きのままです。岸田政権が第6波に向けPCR検査の拡大を打ち出していますが,これまで都市部などで行ってきたモニタリング検査などの予算は計上せず,実際は幅広い拡大にはつながっていません。第6波に対するPCR検査の拡大の対象も,平時には健康上の理由でワクチンが受けられない方のみで,ごくごく少数に限られています。市民が広くPCR検査を受けられるのは,感染が拡大した後だけです。日本の検査は,基本的に症状のある方が病院や保健所に相談してからがスタートですから,症状のある方だけが大方の検査の出発点となっています。 新型コロナは,まず無症状者が感染を広げます。そして,感染が広がった中から,熱やせきなどの症状がある方が出てきます。陽性者が確認されたときには,既に感染は広がった後なのです。しかも,その陽性者が多数確認された後の感染拡大を政府や自治体が認めてから,やっと検査を拡大する。本来の検査の目的である,いち早く感染者を見つけ保護・隔離し,感染拡大を防ぐという観点から見れば,検査拡大が遅きに失しているではありませんか。政府のPCR検査拡大方針は遅きに失しているものだとお感じにならないのか,答弁を求めます。 日本以外の先進国が,どうしてPCR検査を国民全体に広く開いているのか。それは科学的に考えれば,今説明したように当然必要だからです。先進国並みに毎週もしくは毎月,希望者に対し無料でPCR検査を実施するよう国に求めるべきと考えますが,どうでしょうか。 医療,介護,保育といった,人との濃厚接触が避けられないエッセンシャルワーカーへの定期的なPCR検査の実施を国に求めるとともに,市独自でもこの分野に対し先行して実施するお考えはないのか,答弁を求めます。 ワクチン接種を迅速に進めるというこれまでに類を見ない規模の大仕事を半ば国から丸投げされ,2週間前にならないとどれぐらいの量がいつ運び込まれるのか確定しないという困難も乗り越え,ここまでワクチン接種をやり切った点については,私は大いに評価します。 しかし,福井市のやり方は,接種から取り残される方をどうするのかという点で課題を残しました。遠隔地の少人数の事業所へ出張してのワクチン接種や,独居・寝たきり高齢者への接種についてはどちらも,医療機関は赤字を覚悟で行うことを余儀なくされました。これらの個別のケースで実際に赤字になって困っていることを,福井県民主医療機関連合会などの市内の医療機関が実際に市に相談していましたが,市は医師会からは聞いていないとして聞く耳を持たず,新潟市のように,国の補助金を利用して市の持ち出しなしで使いやすい制度設計ができたのに,効果的な支援策は実施されませんでした。私は,反省と,現場の声に真摯に向き合う姿勢が必要だったと考えます。 少人数の事業所への出張接種,独居の寝たきり高齢者など,接種困難者に対応する場合は補助を行うなどの検討が必要ではないでしょうか。 世界的流行がまた起こり,第6波が来る。オミクロン株などの新しい変異。新型コロナウイルスの最大の問題は,いつまで続くか先が見通せないということです。先が見えない中で,歯を食いしばる市民や市内中小零細業者への支援が必要です。 さきの総選挙で公明党さんが言った18歳以下の方への10万円の給付について,政府は5万円を先に給付し残りはクーポンだとか,印刷料に1,000億円かかるだとか,最後は自治体に判断を任せるだとか迷走していますが,私は給付については賛成です。しかし,世論調査の中には,18歳以下への給付について否定的な答えが6割を超えたものもありました。アルバイトが減って生活が苦しい大学生,年金が少なく暮らしが苦しい高齢者,コロナで仕事が減って収入が少ない方,仕事の口がない失業者,働いても働いても貧しさから抜け出せないワーキングプア,仕事が減り貯金を崩しながら何とか商売を続ける中小零細業者たち。18歳以上であっても支援が必要な方はたくさんいます。給付の対象とする人間としない人間とを,その必要性ではなく年齢で区切ったのはなぜなのか。非難の声があるのは当然です。 18歳以上であっても低所得の方を対象に給付を行うよう政府に求め,同時に市としての給付策を検討すべきと思いますが,どうでしょうか。 中小零細業者への2回目の持続化給付金を政府に求めるとともに,市としての独自支援を行うべきではないでしょうか。 次に,学校給食や給食センターの民営化について質問します。 福井市が進める学校給食の調理業務の民間委託は,短期的には経費削減につながるように見えても,長期的に見ると経費節減効果は見込めません。この間,何度も指摘してきたように,市が新規採用を行ってこなかった結果,福井市の調理技師は人件費が比較的高い50代以上の職員ばかりとなっており,その高い人件費と比べているため,民営化したときに人件費が安くなったように見えるだけです。実際は,新規採用を行っていきながら人件費が平準化されれば,削減効果はほとんど見込めません。もはや福井市が行う学校給食民営化は,民営化すること自体が目的となっています。 学校給食に求められる衛生管理基準を守りつつ,毎日数百食,数千食,1万3,000食に及ぶ給食を作り続けることは並大抵のことではありません。おのずと参入できる会社は,市内はおろか県内にも事実上見当たらず,県外大手に限られています。福井市の学校給食の民営化も,実施するたびに県外大手が落札してきました。 福井市の学校給食民営化は学校ごとの民間委託にとどまらず,市内の学校給食1万3,000食分を預かる給食センターの建設と,その後の調理業務を一体で民間に委託するPFI方式によって,17年間で141億円という長期で巨額の計画を進めることとなっています。 前回の教育民生委員会で,学校給食民間委託の経費の算出について,市は詳しい内訳は明らかにできないとしたものの,業務内容は人が関わる仕事であり,ほぼ人件費ですと答えました。ところが,委託後に人件費にどの程度使われているかは調査していない,その調査は必要ないと答えています。これでは人件費に使われるはずであった税金がどんどん県外本社の利益に消えていったとしても,その実態が分かりません。市が支払う委託費,建設費,その後の運営費,これらは全て市民の税金です。その税金の使われ方が実際どうなっているのか確認することは,市として当然の仕事ではありませんか。 調理師などへの給与の聞き取りを行い,市が設計時に想定していたとおり使われているのか確認すべきと考えますが,どうでしょうか。 センターや各学校に栄養士などの市職員が配置されることを考えれば,給与の支払い状況の聞き取りは,聞けばいいだけですから簡単にできるのではないでしょうか。 次に,下請企業を守る取組について質問します。 現在の公共事業は,東北の復興事業や大阪・関西万博,世界的な原材料費の価格高騰などの影響から,建設資材や建設労働者の賃金相場が値上がりし,全国的に落札率が高くなっています。この福井市でも,3,000万円以上の工事の平均落札率は92.4%です。ところが,新クリーンセンター調整池工事においての落札率は,失格基準価格ぎりぎりの78.2%という低価格入札であり,下請労働者の待遇が心配になります。 9月の教育民生委員会において,私が,下請労働者に対し賃金の支払い状況を聞き取るべきではないのかと質問したのに対し,市民生活部は,聞くことは当然現場でできる,したいと思うと聞き取りについて初めて踏み込んで答弁しました。一歩前進であり評価するものです。しかし,あくまでこの答弁はこの工事においてのものであり,低価格入札全体に対してのものではありません。低価格入札の場合は,これからも下請労働者への賃金支払い状況の聞き取りを市の業務として位置づけるべきと考えますが,どうでしょうか。 そして,下請いじめが起きるのは低価格入札だけとは限りませんから,低価格入札だけでなく,全ての工事で下請業者への賃金支払い状況の聞き取りを行うべきと考えますが,どうでしょうか。 市の職員は,施工体制の確認のため度々現場を訪れます。そこで,給料をどれだけもらっているのか,ちゃんともらえているのかと聞くだけですから,この賃金の支払い状況の聞き取りは,市がやろうと思えば簡単にできることです。業務に位置づけるだけで簡単にできるのではないですか。答弁を求めます。 市の発注する業務や工事の設計額の一つ一つは,資材費や人件費,施工単価などを積み上げており,下請いじめや,働く貧困層と呼ばれるワーキングプアを生み出す賃金の支払いは想定していません。税金による貧困の拡大を防ぐことは,当然市の職務とすべきです。下請事業者を守る取組を総合的に進めるため,公契約条例を制定すべきと考えますが,どうでしょうか。 市の発注する業務によって,下請いじめや働く貧困層が生まれるような事態は防がねばならないと考えますが,どう考えるのか,見解を求めます。 最後に,除雪対策について質問します。 平成30年の福井豪雪では最大積雪深147センチメートル,本年1月の豪雪でも最大積雪深100センチメートルを超える大雪となりました。どちらも短時間に急激に雪が積もった後,人の足や通行する車によって踏み固められて圧雪となり,気温が氷点下になれば氷の塊となる。そして,除雪が困難になっていく。そんなふうに残った雪は,気温が上がり雪が緩めば車のスタックをつくり出す。どちらの豪雪も市民生活に甚大な被害や影響を及ぼしました。 度重なる豪雪を受け,市は除雪計画を見直していますが,除雪の待機や取りかかるタイミングを早くすること,昼間の除雪,GPS導入などの改善は行われるものの,重機除雪に関わる人員体制をどうやって厚くするのか,強めるのかという課題に正面から取り組む,これらの姿勢が弱いままです。これでは豪雪時のオペレーター人員体制の強化は具体的に進まないのではないでしょうか。 福井豪雪時には,昼夜を問わず除雪に当たり続けてくれた民間オペレーターが重機に乗ったまま心肺停止の状態で見つかるという悲劇が起きました。当時の新聞記事には,大雪となった6日未明から連日,男性は1日三,四時間の仮眠だけで業務に当たり続けていた。少し休んだらという家族の声にも,強い責任感からやらないといけないと除雪に出続けていた。同業者の方からは,「除雪中の重機の運転席は振動が激しく,長時間操縦した後は疲労感で食事が喉を通らないほどだ。連日の作業で体調を崩すオペレーターもいる」,このような証言も寄せられていました。豪雪時,除雪機のオペレーターが疲れ果ててしまうことが経験として語られているわけです。 豪雪時に除雪が思うように進まなかったのは,除雪オペレーターが疲労こんぱいとなってしまったからではありませんか。除雪人員体制の強化は豪雪対策の最重要課題の一つであると私は考えますが,どうでしょうか。答弁を求めます。 私たち日本共産党は,市民の高齢化が進み,建設・土木の工事費の減少で,除雪参加事業者が長期で見ると減少していることを直視し,市が民間事業者に委託する形ではなく,市職員の中で重機除雪を行える集団づくりを進めることを求めてきましたが,市の答弁は職員に希望者を募るという程度のものでした。これではとても間尺に合わないことを指摘しましたが,いまだに募集をかける段階には至らず,現時点では1年ごとに首が切られる会計年度任用職員を2人募集するのがやっととのことです。2人だけでは,豪雪時には道を1つか2つ空けるのがやっとです。 平成30年の福井豪雪や本年1月の豪雪時には,病院や介護施設へのアクセス道路が雪で埋まっている,救急車が病院まで行けず患者を担架で運ばねばならない,入院している患者のための酸素タンクを補充するトラックが病院まで来れずこのままでは患者が酸欠になってしまう,集落へとつながる道路が雪で埋まり陸の孤島となっているなど,緊急に除雪が必要だがそこまで除雪の手が回らない,こういった事態が市内の至るところで起こったのではありませんか。現在市が計画している会計年度任用職員2人だけでは,豪雪への対応には不十分と考えますが,どうでしょうか。 市職員による除雪体制づくりを,20人を超える規模の計画と目標を持って取り組む必要があると考えますが,どうでしょうか。答弁を求めます。 大野市や勝山市,永平寺町の職員らと合同で研修をすれば,技術レベルの維持についても担保できるのではないでしょうか。県内他市町の力も借りて,職員による除雪体制づくりを進めていただきたいと考えますが,市長はどのようにお考えになるのか,答弁を求めます。 積雪時,不要不急の外出を市民に遠慮願うことは重要ですが,仕事に行くのは不要不急ではありません。平成30年の福井豪雪時,当時の知事が営業自粛を呼びかけましたが,遅過ぎて効果はありませんでした。大雪時,自動車での出勤はスタックを誘発し,大渋滞を引き起こし除雪作業の障害となります。同時に,寒い中,車内に長時間閉じ込められるため命の危険すらあります。会社が営業するとなれば,大雪であっても会社に行かざるを得ないのが労働者のつらいところです。いち早く経営者に営業自粛を要請できるよう,事前に予測される積雪の段階によって営業自粛要請を呼びかける職種を設定し,各事業所に毎年周知する体制とすべきと考えますが,どうでしょうか。 大雪時に限っては,往診や訪問介護をしている車両については,学校や公民館,民間駐車場の利用の協力をお願いするとのことでしたが,現在の準備状況はどうか。 勝山市や大野市などで,雪下ろしを災害救助法の対象として扱うための事前準備を進めるとしていましたが,その実施状況はどうなのか。その答弁を求め,私の1回目の質問を終わります。 厳しい質問が多いですが,ぜひ御一緒に市民の皆さんのためによりよい仕事がしたい,そういう意味では,私は理事者の皆さんは同志だと思っております。けんけんがくがくやらせていただきたいので,どうかよろしくお願いします。御清聴ありがとうございました。 (商工労働部長 寺井道博君 登壇) ◎商工労働部長(寺井道博君) 新型コロナ対策についてのうち,中小企業への給付についてお答えいたします。 新型コロナの影響により,現在も多くの中小企業が売上減少など企業活動に少なからず影響を受けているところであります。これまでも本市では,持続化給付金や家賃支援給付金の再実施を含めた支援の充実を,中核市市長会等を通じまして国に要望してまいりました。 このような中,新型コロナ経済対策を中心とした国の令和3年度補正予算におきまして,新型コロナの影響で売上げが減少した中小企業者に30万円から250万円を支給する事業復活支援金が計上されたところであり,これに加えた本市独自の給付金については考えておりませんが,今後も新型コロナの影響を見極めながら市内中小企業の状況に即した支援を行ってまいります。 (福祉保健部長 齊藤正直君 登壇) ◎福祉保健部長(齊藤正直君) 新型コロナへの対応についての残りの御質問にお答えします。 まず,空港検疫の強化についてです。 抗原検査には定性検査と定量検査の2種類があり,空港検疫所では,厚生科学審議会感染部会がPCR検査と同等の結果が得られると報告している定量検査が用いられています。 また,国の対策として,空港検疫での検査結果が陰性であった場合でも,検疫所が確保する施設等で待機させ,入国者健康確認センターにおいて健康観察を実施しています。 さらに,従来,ワクチン接種証明書所持者に対して取られていた緩和措置が,今月1日から一時停止となる等,取扱いが厳格化されており,国の責任において適切な対策が取られているものと考えております。 次に,PCR検査拡大についてお答えします。 国は,先月19日にワクチン・検査パッケージでの検査や感染拡大傾向にある場合の検査において,対象者が無料でPCR検査を受けられるよう都道府県を支援することを表明しました。これを受けて県では,ワクチン・検査パッケージの活用時に健康上の理由等でワクチン接種を受けられない方の検査を無料にすること,感染拡大傾向が見られる場合に知事の判断でエッセンシャルワーカー等に限らず,感染に不安がある無症状の方の検査を無料にすることを本12月定例会に提案しています。これまでも国は感染状況に合わせて検査対象の範囲を拡大してきており,今回さらなる拡大が図られることとなります。 本市としては,国や県の動向を注視するとともに,今後も感染者が発生した場合は着実に積極的疫学調査を行い,感染が疑われる方に幅広く検査を実施することで感染の広がりを把握し,感染拡大防止に努めてまいります。 次に,接種困難者へのワクチン接種に関する御質問にお答えします。 本市では8月に,接種困難で取り残されている在宅の方がいないかについて,地域包括支援センターなど各団体の協力を得て調査を行い,接種を希望したけれども受けることができなかった方はいないことを確認いたしました。 その上で,まず高齢者施設での接種についてですが,本市では各医療機関に事前にアンケートを行い,巡回接種に協力可能と回答のあった医療機関と個別に協議を行った上で接種をお願いしております。その際,接種対象人数などについてはある程度の人数を確保するなど,可能な限り医療機関の希望を踏まえて調整を行っており,本市としては費用面を含めて御了承の上で接種を行っていただいたものと考えております。 次に,在宅の高齢者等に対するワクチン接種についてですが,国が,訪問診療時に併せてワクチン接種を行うことで,ワクチン接種費に加えて訪問診療に対する診療報酬を算定できることを認めているため,医療機関ではそのように対応していただいていると考えております。 なお,本市では,3回目接種の実施に向け,これまでの接種事業に対する意見や問題点を把握するため,接種を行った市内医療機関に対して,11月下旬から12月初旬にかけてアンケート調査を実施いたしました。この結果,多くの医療機関において,特に問題がなかったという回答をいただきましたが,高齢者施設での巡回接種を行った28医療機関中,3機関,在宅高齢者への訪問接種を行った24医療機関中,3機関から,経費的負担があったとの回答がありました。そのため,経費的負担があったとの回答があった医療機関に対して,現状やその理由について個別にヒアリングを行ったところ,医療機関においてワクチン接種業務全体を通しては経費的負担が生じていないことを確認でき,引き続きワクチン接種へ協力するとの回答を得ているところです。 さらに,アンケートでは,本市独自に取り組んだ予約やワクチン管理・配送の市による一元化についても,多くの医療機関から高い評価をいただいたところです。 今後とも,医療機関と連携協力して円滑な接種体制の確保に努め,接種から取り残される方がいないように取り組んでまいります。 次に,18歳以上に対する給付金の対象拡大についてお答えします。 先月19日に閣議決定されたコロナ克服・新時代開拓のための経済対策において,経済的に困窮している方々への支援として,子育て世帯への給付金及び住民税非課税世帯に対して1世帯当たり10万円を給付することが示されました。また,失業や休業等により収入が減少した生活困窮世帯に対しては,これまで実施してきた住居確保給付金の特例,緊急小口資金・総合支援資金の特例貸付,生活困窮者自立支援金の申請期限の延長のほか,一定条件の下に生活困窮者自立支援金を再支給することとしています。そのほかの対策として,厳しい状況にある大学生等に対し,大学等を通じ学業継続のための10万円の緊急給付金も提示されました。 このように,生活に困窮する方々に対する複数の支援策が国から提示されたところであり,その効果を見極めてまいりたいと考えております。 なお,生活困窮者への支援に関して,全国市長会を通じて引き続き国に対して働きかけてまいります。 次に,除雪対策についてのうち,駐車場の協力についてお答えします。 学校や公民館などの公有施設の駐車場に関しては,施設ごとに可能な範囲で御利用いただけるよう協力してまいります。 民間駐車場に関しては,コンビニエンスストア等の駐車場を利用できるよう,県が民間事業者に協力依頼の協議を進めていると聞いております。 次に,雪下ろしを災害救助法の対象として扱うための準備状況についてお答えします。 災害救助法による雪下ろしは,屋根雪による家屋の倒壊等により,生命または身体に危害を受けるおそれが生じた場合であって,自らの資力及び労力によって除雪を行うことができない方を対象としております。 昨冬の大雪の経験も踏まえ,災害救助法適用を待たず除雪体制が警戒態勢に移行すると予想される段階で,福祉保健部内に要支援者の雪下ろしに関する電話相談センターを設け,一括して電話相談を受け付けることといたしました。災害救助法が適用された場合は,その旨を市ホームページで告知するとともに,センターにおいて災害救助法に基づく雪下ろしに対応することとなります。センターは専用の電話番号を設け,最大8人体制で土日,祝日も含め相談に応じます。 なお,災害救助法の適用時には,費用を市が負担することになるため,災害救助法が適用される場合の対応について,地域ぐるみ雪下ろし支援事業の対象者や協力事業者にその旨をお知らせしたところです。 また,民生委員に関しましても,同様に災害救助法が適用される場合の対応についてお願いしております。 (建設部長 増永孝三君 登壇) ◎建設部長(増永孝三君) 除雪対策についてのうち,まず豪雪時の除雪オペレーターの疲労による除雪作業への影響,豪雪対策の除雪人員体制の強化についてお答えします。 豪雪は災害であり連日の作業となることから,除雪オペレーターの疲労が重なり作業効率が低下することが考えられます。そのため,除雪オペレーターの負担軽減を図ることは重要と考えており,担当する除雪エリアの適正化を図るため,土木や舗装といった建設業だけではなく,様々な業種の企業に対して除雪の協力を依頼し,除雪協力企業や除雪オペレーターの確保に努めております。 加えて,大雪時における除雪人員の強化として,除雪計画においては協力意向のある企業と覚書を締結し,緊急時には除雪を依頼することとしております。 次に,市計画の2人では豪雪時の対応は不十分ではないか,市職員による除雪体制づくりの取組についてお答えします。 本市においては,今後も除雪業務について,重機による作業経験が豊富な除雪協力企業に委託していく考えであります。 しかしながら,大雪などの緊急時において,職員が補助的な除雪業務を行うことは重要であると考えております。そのため,職員による除雪作業の内容や体制について他市町の状況を参考とするため,職員の除雪オペレーター従事状況について,県内市町及び豪雪地帯の中核市を対象にアンケート調査を実施いたしました。回答のあった28市町のうち,秋田市や富山市,勝山市など半数の市町において,職員が除雪オペレーターとして従事する体制を取っていることが確認されました。これらの市町で除雪オペレーターに従事している職員の職種は,運転技士などの技能労務職や除雪機械の運転経験のある会計年度任用職員などが多数を占めておりました。本市においては,緊急時に補助的な除雪対応が可能となるよう,来年度,会計年度任用職員2人の採用を予定しております。 また,今年度に本市が購入する搭乗型小型ロータリーは普通免許により運転が可能なことから,この除雪機械の活用についても検討してまいりたいと考えております。 次に,大野市や勝山市,永平寺町の職員らと合同で研修をするなど,県内他市町にも力を借りた職員による除雪体制づくりについてお答えします。 先ほどお答えしたとおり,今後も除雪業務については,重機による作業の経験が豊富な除雪協力企業に委託していく考えであります。しかしながら,大雪などの緊急時において補助的な除雪対応ができるように,来年度,会計年度任用職員の採用を予定しております。 今後,さきの大野市など,職員が除雪オペレーターに従事している県内他市町の聞き取りを行い,職員の除雪オペレーター技術の向上を図るなど,除雪体制の維持向上に努めてまいりたいと考えております。 (市民生活部長 廣瀬峰雄君 登壇) ◎市民生活部長(廣瀬峰雄君) 除雪対策のうち,営業自粛を呼びかける職種の設定についてですが,様々な業種や形態があることから,個別に設定することは困難と考えております。 しかしながら,本市では,降雪期前において市政広報や市ホームページ等で,大雪警報発表時の不要不急の外出やマイカーの使用を控えていただくことを市民の皆様に周知し,大雪の備えについての意識の醸成を図っております。 今後は,短時間での大雪による道路の通行止めや鉄道の運休など,重大な災害が発生する可能性が高まった場合には,企業等に対して県と連携する中で従業員の休暇の取得やテレワーク,出勤時間をずらすなどの協力依頼を,防災行政無線や市ホームページ,SNSを活用し周知してまいります。 (教育部長 林俊宏君 登壇) ◎教育部長(林俊宏君) 学校給食や給食センターの民営化についてお答えいたします。 まず,税金の使われ方の確認についてでございますが,税金の使われ方を確認することは非常に重要であると認識しております。 次に,給与の聞き取りについてお答えいたします。 学校給食の調理等業務の委託契約や新学校給食センター整備運営事業の事業契約は,児童・生徒へ安全・安心でおいしい給食を届けることを目的としております。そして,その目的を果たすために市がすべきことは,求めた業務内容が適正かつ確実に履行されているか,要求水準や事業者提案で示された学校給食提供のサービス水準が達成されているかを確認していくことであると考えております。 民間企業の業務従事者に給与の聞き取りを行い確認すべきではということですが,給与は民間企業内の労使間で決められたものであると認識しております。それに対して市が干渉することは適切でないと考えております。 (工事・会計管理部長 佐野仁則君 登壇) ◎工事・会計管理部長(佐野仁則君) 下請企業を守る取組についてお答えします。 下請業者への賃金支払い状況の聞き取りにつきましては,建設業を営む者に対し不当な契約があるなど特に必要があると認められる場合,建設業法第31条の規定により立入検査をする権限が国及び県には付与されていますが,市にはこのような権限が与えられていません。 さらに,建設工事の契約は対等な立場における合意に基づいて締結することとされており,また監督職員や検査職員の業務は工事の施工管理に関するものであることから,下請労働者から賃金の支払い状況の聞き取りを行うことは適切でないと考えております。 下請契約がある場合には,建設業法や公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に基づき,福井市工事請負契約約款及び福井市土木工事共通仕様書により施工体制台帳を提出することとしています。その添付資料として,受注者と下請負人,さらに再下請負人がある場合はそれら全てを対象に,工事内容,工期,契約金額,支払い方法及び支払い期日について記載されている契約書の写しの提出を義務づけています。監督職員は,その契約書の内容について,工事内容や必要な経費が見込まれているかなどを確認しております。 また,工事検査職員は,工事監察パトロールや完成検査時に,現場や書類を通じ適正に下請契約が履行されているか確認を行っています。 下請業者の保護は重要であると考えております。今後も下請契約が適正に行われるよう,施工体制の点検に取り組んでまいります。 (財政部長 田口春彦君 登壇) ◎財政部長(田口春彦君) 下請企業を守る取組についての残りの御質問にお答えいたします。 本市における公共工事の契約につきましては,地方自治法や建設業法,公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律などの関係法令に基づき,適正な執行に努めております。 また,労働者の賃金など個々の労働条件につきましては,労働基準法や最低賃金法等の労働関係法令に基づいて,労使間の合意によって決定されるものであり,これらの法律により労働条件は確保されているものと考えております。 一方で,公契約条例を制定した場合,賃金台帳の作成や検査立会いなどの事業者の事務負担の増加は避けられず,また多岐にわたる確認作業といった行政コストの増加などの課題があります。適正な労働条件の確保は労働者全体に共通する課題であることから,個々の自治体による条例の制定ではなく,国において全国一律に労働関係の法令が遵守されるような仕組みをつくることが望ましいと考えております。 本市におきましては,工事等の入札について品質の低下や下請業者へのしわ寄せ,業務に従事する方の賃金その他の労働条件の悪化につながるダンピング受注への対策として,最低制限価格制度及び低入札価格調査制度を運用しております。 今後も,適正な元請下請関係の構築に向けた施工管理の徹底や市場の実勢価格を反映した労務単価を用いた設計,ダンピング対策などにより,適切な雇用が確保されるよう努めてまいります。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) 再質問をさせていただきます。 除雪対策についてですが,これまでの答弁に比べると,市の職員も補助的ではあっても自分たちが重機を使って除雪することに踏み込もうとしているというような答弁でしたので,一定の評価はします。ただ,まだもう一歩足りないなと正直思います。 まず,議論の前提として確認したいんですが,市民が高齢化し公共事業が減ってきた影響で,長期的に見ると除雪参加業者の数が減っています。これは,やはり市の除雪する力が全体としては減っていくということではないのですか。その認識をまず問いたいと思います。 ◎建設部長(増永孝三君) 確かにおっしゃるとおり協力企業は減っておりますが,昨年度と今年度の比較をさせていただくと,まず企業数でいいますと,昨年度が251社,今年度が257社と,6社増えています。それと,オペレーターの数ですが,昨年度が778人,今年度が842人と,64人増えています。さらに直近10年ぐらいのデータを振り返ってみますと,平成26年度が642人おりまして,そこから200人増えているので,十分とは言えませんが,オペレーターに関しては増えています。 それと,これは分析をこれからしないといけないと思っていますが,新規で参入していただいている業者の中には,結構若い世代がオペレーターとして入っているところもあるので,そこら辺はあまり悲観する必要はないかなと感じております。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) オペレーターの数が全体としては増えているというのは確認させてもらっています。 ただ,これは全体的に増えていますか。いろんな業者で増えているのか,それとも増えているのは一部の業者に限られるのか,状況はどうですか。 ◎建設部長(増永孝三君) 先ほども答弁しましたように,ほぼ建設業者で,その他協力していただいているのは運送業者であったり,とび職を専門としている会社であったり,解体業者が主です。多分ですけれども,建設機械に慣れている業者が参入していただいているという感覚を持っております。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) やはり建設業が多いということです。また,私も道路課から聞き取っているんですが,全体的に増えているのかと聞いたら,体力のある一部の業者であったり,今建設部長がおっしゃっていたような若い従業員が多い業者に限られているということでした。民間任せだと,一部の企業では増えていっても,なかなか全体的な体制強化にはつながっていかないという問題があるんです。 先ほど指摘しましたように,医療や介護施設へのアクセス道路が雪で埋まってしまう,集落が陸の孤島となる,緊急で除雪が必要なんだけれどもそこまで手が回らない,こういう事態が市内の至るところで起こったと思うんです。その認識についても答弁をお願いします。 ◎建設部長(増永孝三君) 確かに今年の1月であったり,大雪のときにそういう事態が起こったのは事実です。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) いざ豪雪となると,市内の至るところでそういうことが頻発します。会計年度任用職員2人を採用するだけではなく,普通免許でも運転できるものも導入しようかということも聞きました。これはまだ計画を策定している段階ということもあると思うんですが,重機の免許をしっかり取る職員集団を増やすということが私は重要だと思います。 例えば,数人だけでも会計年度任用職員を採用するという方法もあると思いますし,数人だけでも毎年除雪車を動かす方を雇う。何十人かには免許を取っておいてもらって,やってもらう。毎年除雪車を動かす上手な方に,免許を持っているだけの人たちの練習を毎年見てもらう。そういうやり方も含めて考えれば,職員をそれほど増やさなくても,免許を持っている人を増やすことができる,除雪できる人を増やすことができるという体制をつくることは可能ではないかと思うんです。そういうことも含めて,職員の中で重機除雪を行える集団を増やすんだという方針を持っていただきたいなと思います。その点についての意気込みをぜひお聞きしたいと思います。 ◎建設部長(増永孝三君) 今おっしゃることはよく分かりますし,言い方がいいかどうかは別として,職員というと緊急時に便利ではあります。しかし,通常,事務作業をしている職員が,いきなり大型機械を使って除雪するというのは非常に問題があると思っていますので,そこのところはふだんから建設機械を使って慣れている業者にお願いする。先ほど答弁しましたけれども,大雪のときには,応援する企業を増やしていくことによって,雪による集落の孤立を少しでも少なくするという努力が必要かなと考えています。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) その答弁だと,現時点ではいざ豪雪になるとまだまだ力が足りないという計画ではなかろうかと思います。職員の中でそういう免許を取る人をどう増やしていくのかという計画が必要であろうということを強く要求しておきたいと思います。 下請企業を守る取組についてですが,市職員が現場に行ったときに,下請業者に賃金支払い状況を聞くことは適切でないとおっしゃいました。法的に聞いてはいけないということが何かあるのですか。 ◎工事・会計管理部長(佐野仁則君) 法的に聞いてはいけないということはございません。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) 答弁にもありましたが,下請業者の待遇を守る,賃金を守る,そういう取組は重要だとおっしゃいました。やろうと思えばできないことではないんです。だからやろうじゃないかということを求めたいわけです。 取締りの権限は市にはないとおっしゃいました。しかし,賃金の聞き取りをして,これはまずいなと思ったときに,県や国に通報すれば取締りもできるのではないですか。 ◎工事・会計管理部長(佐野仁則君) 建設業法で定める施工体制台帳というところでそういったことをきっちりチェックしていくことが,そういったことを守ることだと思っています。賃金のことに関しましては労働基準法の管轄になると思いますので,雇用主からどういった権限でそういうことを聞いているんだということを聞かれた場合に,こちらとしては答えられないと思っています。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) だったら公契約条例をつくればいいじゃないですか。条例という根拠ができるじゃないですか。財政部長,どうですか。 ◎財政部長(田口春彦君) 今も工事・会計管理部長が答弁しましたけれども,建設業とかの労働者を守る仕組み自体は国,県で取り組んでいて,法令違反に対する通報窓口として駆け込みホットラインというものも開設されておりますので,そういった国,県の取組を活用していただきたいと考えております。 (23番 鈴木正樹君 登壇) ◆23番(鈴木正樹君) 市の事業であり,市が行う契約と工事ですから,市が下請業者をしっかり守るために自分たちで何をするのかということが問われていると思います。そして,やろうと思えばできることですから,ぜひやっていただきたいということを強く申し述べて質問を終わります。 ○副議長(玉村正人君) 次に,11番 八田一以君。 (11番 八田一以君 登壇) ◆11番(八田一以君) 一真会の八田一以でございます。通告に従いまして,デジタルトランスフォーメーション(DX)と産業振興についてお伺いしますので,よろしくお願いいたします。 9月1日にデジタル庁が発足しました。デジタル庁のホームページを見ると,発足後,ガバメントクラウド先行事業,つまり自治体の基幹系業務システム構築の先行事業の対象自治体を採択し公表したこと,政府と自治体職員との対話の場であるデジタル改革共創プラットフォームの運用を開始したこと,この2つが載っております。デジタル庁は,水面下でトップスピードで業務を推進しているのだろうと推測いたします。 一方,福井県は,今年4月1日にDX推進本部を設置してDX推進監を民間から登用し,福井県DX推進プログラムを策定して素早くDX推進体制を構築しました。行政自身と産業,生活の各分野においてDX推進事業プロジェクトを取りまとめ,推進しているようです。ただ,DX推進監によると,DX推進上の福井県の喫緊の課題はデジタル人材の圧倒的な不足だそうです。 他方,さきに述べましたように,デジタル庁のガバメントクラウド先行事業の対象自治体に取り上げられた,中核市である倉敷市の計画を見てみますと,17の基幹系業務システムは,令和7年度末に向けて五月雨式に標準化移行を行う計画になっております。他市町に先駆けて事業を行う倉敷市ですが,それでも基幹系業務システムのうち生活保護システムは令和8年1月のスタートを見込んでいます。つまり,先行する倉敷市においても目標年度末の期限ぎりぎり,ようやく間に合うスケジュールを立てているのです。 そして,金沢市では今年4月,金沢市ICT活用推進計画を継承し,国の自治体DX推進計画と整合性を取りながら金沢市のデジタル化をより一層推進するため,金沢市デジタル戦略を策定して,これを最上位の計画に位置づけました。 その後の状況を聞くと,金沢市ではこのデジタル戦略に基づいて,行政自身のデジタル化のみならず,特に市内の産業面,生活面のデジタル化のため,積極的な取組が既に実行の段階に入っているようです。 では,本市のデジタル化推進の状況はどうなのかということですが,体制を整えてスタートダッシュする日は早くとも来年4月1日になるのでしょうが,遅くとも来年4月1日でなければならないと思います。DXによる新時代の行財政改革と,令和7年度末という国が設定した17の基幹系業務システム標準化の目標は,来年4月にスタートすることで期限に間に合うのだと思います。 それで,本市の基本的な計画は,来年4月1日にスタートすると,既にお聞きしております。第八次福井市総合計画と福井市行財政改革指針(令和4年度から令和8年度)のことですが,デジタル技術を活用した新時代の行革という行財政改革指針の推進方針のとおり,総合計画も行革指針も全ての推進項目において,デジタル技術を活用する取組によって成果が上がると考えます。デジタル技術を理解し,デジタル技術を駆使する自治体と市民が,デジタル技術の果実を享受する時代です。御所見をお伺いします。 次に,本市のDX推進体制がどうなるのか,お聞きします。 国の自治体DX推進手順書に基づいて,本市は市長を本部長とした福井市DX推進会議を設置し有識者のアドバイザリーボードを設置するのか。また,全庁的,横断的にDXを推進するため,デジタル推進本部やデジタル専門部局,デジタル課やチームを設置するなど組織替えを行うのか,お聞きしたい。 例えば金沢市では,今年4月に金沢市デジタル戦略を策定したのと同時に,デジタル行政戦略課を新設したと聞きます。デジタル技術を活用した新時代の行革を目指して,行政改革の担当課と情報システムの担当課を統合したのです。本市ではどうされるのでしょう。御所見をお伺いします。 そして,シンボルマークや標語が必要ではないのか。福井県は,シンボルマークや,標語「みずから変える みんなで変える ふくいを変える」を制定しました。また,DX推進の取組状況を市民にアピールし,広報することも必要でしょう。既に水面下で検討が進んでいるものと思います。御所見をお伺いします。 次に,ガバメントクラウドの利用,及び自治体の基幹系業務システム標準化の令和7年度末移行に関する準備作業,移行計画書の策定については,本市では既に取りまとめられているのだろうと思いますが,いかがでしょう。 先行する自治体として国に採択された倉敷市や神戸市などの計画や豊富なデータを参考にできるので,本市にとって移行計画書の作成自体はさほど難しいものではなかったのではないかと考えます。計画の概要と17の基幹系業務システムそれぞれの,特に住民基本台帳,国民健康保険,国民年金システムの移行の目標時期をお伺いしたいと思います。 最後に,本市の産業振興におけるデジタル技術の活用について,2つ質問いたします。 金沢市では,今年4月に策定した金沢市デジタル戦略に基づいて,特に地域産業,商工業と農林水産業の積極的なデジタル化支援の取組が実行の段階に入っています。「産業に新たな価値が生まれるまちに」というテーマで,デジタル化支援策として,例えば今年8月,金沢市は金沢未来のまち創造館をオープンしました。また,金沢市がオルガナイザーとなって,先端ものづくり技術交流セミナーが連続的に開催されています。金沢市は,従来とは異なって,補助金の交付という方法に加えて金沢市自身が主体的に市内に新たな産業を創出し,市内企業のデジタル人材を育成する,より実効性が高いと思われる産業振興策に方針転換したように見えます。 では,本市の産業振興におけるデジタル化支援の状況はどうなのかというと,今年度の部局マネジメント方針では,農林水産業,商工業関係の記述に「デジタル」という言葉はありませんが,「スマート農業導入」とか,「繊維事業者のECプラットフォーム支援」とかの言葉が載っています。 また,第八次福井市総合計画の中で農林水産業に関する政策9及び商工業に関する政策10には,「ICT活用」,「DX推進」などの言葉が入っています。総合計画やDX推進計画にいう農林水産業振興策,商工業振興策それぞれのデジタル化支援策としての事業は具体的に何なのか。スマート農業,スマート林業,スマート漁業とか,企業DXの取組を支援するとか言われても,具体的なイメージが湧きません。それぞれの事業の概要で結構ですので,その事業の内容を教えてください。 そして,それら事業の中で,本市デジタル化による産業振興策の柱が何か,何が柱に育つと見込まれる事業なのかについて,御説明をお願いいたします。 2つ目の質問は,福井市産直ECサイト「ふくいさん」についてです。 このふくいさんは,今年9月に本格運用を開始したECサイトで,本市の農林水産物,地域ブランド品販売の拡大を目指してスタートしたもののようです。これは農林水産部のチャレンジ,今年度の新事業だと思いますし,このふくいさんが今後大きく発展していくことを期待しております。 本市のホームページを見ると,まずこのふくいさんが目に入ります。まずは,このECサイトふくいさんの概要を教えてください。特に,このサイトの趣旨や特徴,セールスプロモーションの展開について,またサイトがスタートしたばかりですが,見えてきた課題とその対応案について御説明願います。 また,掲載商品を見ると,農林水産物とその加工品に限られているように見えますが,ふくいの恵みに認定された商品などの本市の他産業商品の掲載など,今後の展開の方向性で検討している事項がありましたら,併せて御説明願います。 楽天やヤフーなど,大手のサイトがあり,47CLUBがあります。数多くのECサイトがあってライバルが多くいます。このふくいさんが周知されて販売額を増やしていくためには,セールスプロモーションの方向性が極めて重要だと思います。 このふくいさんには,私の地元東藤島地区から作り手が参加しています。商品は,極太田舎づくり手打ち越前おろしそば,地元東藤島地区が誇るそば打ち名人,九頭龍工房の安久義二さんの作品です。既に全国,海外でも,そば打ち名人安久義二さんの名前は有名です。本市の誇りです。このふくいさんが今後大きく発展して,名人安久さんをはじめとして本市が全国に誇れる福井になることを期待して,質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 (市長 東村新一君 登壇) ◎市長(東村新一君) 私からは,デジタルトランスフォーメーションと産業振興についての御質問のうち,第八次福井市総合計画及び福井市行財政改革指針におけるデジタル技術の活用についてお答えします。 国が昨年12月に策定した自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画においては,自治体に対し,デジタル技術やデータを活用して住民の利便性を向上させることや,デジタル技術やAI等の活用により業務効率化を図り行政サービスのさらなる向上を図ることなど,広範囲に及ぶ取組の推進を求めております。 これを踏まえ,本市においては,今定例会に議案として提出している第八次福井市総合計画(案)において,総合計画を着実に推進するため,デジタル技術を積極的に活用し,効果的・効率的に事業を推進することを盛り込みました。 また,現在パブリックコメントを行っております福井市行財政改革指針(素案)では,デジタル技術を活用した新時代の行革を推進方針として掲げ,デジタル化を進めることで,住民の利便性向上と事務のさらなる効率化を図ることとしております。 総合計画及び行財政改革指針の策定後には,デジタル技術を最大限活用し,総合計画に掲げる将来都市像「みんなが輝く 全国に誇れる ふくい」の実現が図られるよう,全庁的な推進体制の下,全力で取り組んでまいります。 (総務部長 塚谷朋美君 登壇) ◎総務部長(塚谷朋美君) DXと産業振興についてのうち,DXを推進していくための組織体制についてお答えいたします。 総務省が定める自治体DX推進手順書によりますと,DXを円滑かつ強力に推進するためには,これを専門に担当する部門の設置が必要であるとされております。 本市といたしましても,国の手順書を踏まえた上で他市の状況も参考にしながら,本市の実情に即した組織体制を構築してまいります。 (都市戦略部長 桑原雄二君 登壇) ◎都市戦略部長(桑原雄二君) 御質問のうち,市長を本部長とした福井市DX推進会議や,有識者で構成しますアドバイザリーボードの設置についてお答えいたします。 菅生議員にお答えしましたとおり,本市では全庁的な体制として,職員で構成します福井市ICT利活用推進委員会を設置しております。 また,アドバイザリーボードにつきましては,産学官の有識者などで構成いたします福井市情報化推進会議を設置し,ICT利活用に関する取組や福井市DX推進計画案につきまして,改善や意見などの提言をいただいているところでございます。今後も,当面はこの現在の体制の下,ICT利活用及びDXの推進に取り組んでまいります。 次に,シンボルマークや標語についてお答えいたします。 シンボルマークや標語を定めることは,行政のみならず,広く市民の方々にもDX推進の機運を醸成していくために有効な手段であると考えます。 福井県は,「みずから変える みんなで変える ふくいを変える」という言葉と,オタマジャクシからカエルに変態していくイラストを組み合わせたDX推進のシンボルマークを作成し,県内市町やDXを進める県民,企業にも積極的に活用するよう広く呼びかけております。 本市におきましても,その趣旨を踏まえ,DX推進の様々な場面でこのシンボルマークや標語を活用していきたいと考えております。 次に,DX推進の取組状況に関する広報についてお答えいたします。 DXを推進していく上では,まず市民の皆様に行政手続のオンライン化など,DXによる利便性の向上について知っていただき,広く利用していただくことが必要であると考えております。 このため,現在策定中の福井市DX推進計画はもとより,DX推進の取組状況につきましても,ホームページをはじめとした様々な媒体を利用し周知に努めております。 次に,基幹系業務システムの標準化についてお答えいたします。 今年の7月に,国は自治体情報システムの標準化・共通化に係る手順書(第1.0版)におきまして,現行システムの概要調査及び現行業務と標準仕様との比較分析の結果を踏まえ,標準準拠システムへの移行計画を作成することを示しております。 本市といたしましては,これらの作業を漏れなく効率的に行うためには,業務システムに関して専門的知識を有する事業者に委託して実施することが必要であると考えております。 このため,移行計画につきましては,全ての標準仕様書が出そろう来年度上半期頃までに調査や分析の作業を行い,その上で遅滞なく作成できるよう,これらに必要な経費を来年度予算に計上する予定でございます。 次に,移行時期につきましては,現行システムの契約が終了する令和6年度末までに基幹系以外の業務システムと併せて更新を行うことが効率的だとは考えております。 しかしながら,現時点におきまして,標準準拠システムに関する具体的な提供時期や経費などの詳細な事項が明確になっておりません。このため,住民基本台帳,国民健康保険,国民年金などの基幹系業務システムにつきましては,住民サービスに与える影響を勘案し,標準準拠システムへの移行が確実に行えるよう,国が示している令和7年度末までを目標に移行作業を進めてまいりたいと考えております。 (商工労働部長 寺井道博君 登壇) ◎商工労働部長(寺井道博君) デジタルトランスフォーメーションと産業振興についてのうち,商工業におけるデジタル化支援についてお答えいたします。 2000年代から本格化したデジタル化は,IT企業だけではなく,全ての産業,社会経済システムに変革をもたらしており,今後,少子・高齢化に伴う労働力人口の減少や生産性向上などの課題を解決するためには,企業経営におけるDXは避けて通ることができない大きなテーマとなっております。 このような中,第八次福井市総合計画におきましては,DX推進を原動力に,商品・サービスの見える化による競争力の向上や,経営の改革による企業価値の向上を進めることとしております。 国等の調査におきまして,中小企業がデジタル化を推進する際の最も大きな不安要因として,デジタル化対応人材の不足が挙げられていることから,本市といたしましては中小企業におけるDX人材の育成を支援策の柱としております。 具体的には,企業の中核を担う若手人材を対象に,DXに焦点を当てた講義,グループディスカッションを中心とした研修会を開催し,中小企業のDX人材を育成することを考えております。 さらに,各企業におけるDX計画の策定から,この計画に沿った設備投資の実行及びフォローアップまでを一貫して支援することで,市内中小企業のDX推進を図ってまいります。 (農林水産部長 清水拓君 登壇) ◎農林水産部長(清水拓君) 農林水産業におけるデジタル化支援策についてお答えします。 デジタル化による農林水産業の振興策につきましては,高齢化や担い手不足などの課題を解決するために,情報通信技術やロボット技術などの,いわゆるスマート技術を活用して作業の省力化,効率化を図り,高品質な生産を実現するものなどが挙げられます。 まず,農業では,農薬散布用のドローンやGPS基地局を活用した運転アシスト機能を持つ自動操舵システムなどの導入を進めております。これにより,ドローンにつきましては,農薬,肥料の散布作業が効率化され,自動操舵システムにつきましては,トラクターやコンバインなどの機械操縦が未熟な方であっても精度の高い作業が可能になることから,高品質で安定した生産による所得向上につながると考えております。 林業では,県において,森林の地形や資源量などを把握するための航空レーザ測量等を行っております。 本市といたしましても,これらの情報を活用し,森林経営計画や路網計画,境界確認や現地立会いの省力化を図ってまいります。 また今後,伐採届,土地所有者届などの申請手続を電子化し,森林台帳などと情報を共有することで,事務作業の省力化,効率化を推進してまいります。 水産業では,定置網漁業の経営体に対して,潮の流れの速さ,波の高さなどの情報や魚の入り状況を漁業者に発信する自動観測ブイの導入を支援します。このシステムの導入により,漁業者は出漁の可否などをより的確に判断することが可能となり,漁獲の効率化が図られるものと考えております。 人口減少や高齢化が進展する中,農林水産業を持続可能なものにしていくためには,農林水産業の全ての分野において,デジタル化社会に対応できる環境整備が不可欠であると考えております。 今後も引き続きスマート技術の普及に向け,国や県の支援事業を積極的に活用するよう周知するほか,本市におきましても引き続き農林漁業者に対し機器の導入支援を行いながら,作業の効率化や省力化,高品質な生産の実現に努めてまいります。 次に,福井市産直ECサイトふくいさんについてお答えします。 本サイトは,生産者の新規販路開拓による所得向上やファンづくりを目的とした新しい取組として,本年9月に開設いたしました。 サイトの特徴といたしましては,生産に携わる作り手の思いをストーリー仕立てにし,文章や写真で丁寧に作り込んだページ構成になっております。 また,提携する運送業者が発送伝票を作成するなど,生産者の負担軽減を目的とした受注・配送システムの構築や,お客様の声など有益なマーケット情報を生産者にお伝えする学習会を行うこととしております。 これらにより,全国に向けた生産者と本市産品のファンづくりにつなげるほか,生産意欲や品質・サービスの向上など,生産者一人一人の成長につなげていきたいと考えております。 次に,セールスプロモーションの展開についてお答えします。 本サイトの主な利用者として,県内の方,県外にお住まいの福井出身の方や福井にゆかりのある方を想定しており,ターゲットに応じたプロモーションを展開しております。これまで市政広報や市ホームページへの掲載,定期的なSNSやプレスリリースによる情報発信を行っております。 また,地元新聞や情報誌での生産者紹介記事の掲載や生産者が出演するラジオ番組も始まるなど,地元媒体を活用した周知活動を行っております。 さらに,福井市応援隊や都市圏県人会への周知を行うほか,首都圏で開催する本市イベントでのチラシの配布,SNS等での広告,本市食のPR大使であるEXILEの橘ケンチ氏を活用した動画などでの周知活動を行っているところでございます。 次に,現時点での課題とその対応案についてお答えします。 現時点での課題につきましては,やはり本サイトの認知度向上です。今後は大手食品情報サイト担当者を交え,これまでの取組に関する効果検証を行うとともに,越前水仙や三里浜オリーブなど福井ならではの産品を掲載し,他サイトとの差別化を図るなど,認知度向上に努めてまいります。 次に,本市の他産業商品の掲載についてお答えします。 本サイトは,地方創生臨時交付金を活用し,農林水産業への支援を目的に構築したことから,まずは農林水産業の生産者,事業者を中心に掲載を進めているところでございます。 しかしながら,本サイトの認知度向上や利用促進を図るためには,本市の優れた加工品を集めたふくいの恵み認定商品はもとより,地酒,工芸品,繊維製品,体験交流型観光メニューなど,本市の魅力的な品を幅広く掲載していくことが重要であると考えております。 今後は,関係各課と連携しながら意欲のある生産者を増やし,商品の充実化などサイトの魅力向上に努めてまいります。 ○副議長(玉村正人君) ここで暫時休憩します。午後2時45分から再開します。             午後2時28分 休憩──────────────────────             午後2時45分 再開 ○議長(皆川信正君) 休憩前に引き続き会議を再開します。 一般質問を続けます。 次に,5番 寺島恭也君。 (5番 寺島恭也君 登壇) ◆5番(寺島恭也君) 一真会の寺島恭也でございます。今年最後の一般質問をさせていただきますので,何とぞよろしくお願いいたします。 それでは,新幹線開業に向けたまちづくりについて質問させていただきます。 並行在来線についてお伺いします。 令和6年春の北陸新幹線開業まで残り2年余りとなりましたが,新幹線開業と同様に忘れてはならないのは,市民の身近な交通機関へと生まれ変わる並行在来線の開業に向けた準備でございます。 並行在来線の今後の経営・運行の基本事項をまとめた経営計画が,10月26日の福井県並行在来線対策協議会において正式に策定されました。この経営計画は運賃水準,運行本数のほか,今後の収支見込み,利用促進策など,様々な内容が網羅されている計画のようです。この計画が策定され,並行在来線の開業に向けての準備がいよいよ本格化していくことになると考えられます。 そこで質問です。 開業に向けた並行在来線の今後のスケジュールについて御所見をお伺いします。 並行在来線については厳しい経営が見込まれており,この経営計画においても様々な利用促進策が盛り込まれておりますが,利用促進によって利用者を増やし,運賃収入を上げることが最も重要であると考えます。 私は,これまでも並行在来線の利用促進における新駅の設置について質問してきました。新駅の設置は,新たな利用者を増やす有効な利用促進策であると考えます。本市においてもその認識の下,昨年度,新駅の設置可能性調査を実施し,福井駅と森田駅の間で,開発踏切付近(福井市車両基地近く),大願寺地下道付近(大願寺陸橋近く),近町踏切付近(高木灯明寺線・高木町)の3か所が候補地として選定されました。 そこで質問です。 この調査結果を受け,今年度はどのような取組をされたのか,お伺いします。 私の地元,明新地区も候補地沿線地区となっており,8月には市長へ新駅設置の要望書を提出しました。明新地区では,その要望に先駆け,明新小学校の生徒に「自由に書こう,未来の明新地区」をテーマとした絵を募集したところ,多数の生徒から作品が集まり,明新地区の新駅に対する強い思いを感じたところでございます。 今回の新駅設置については,明新地区だけでなく,中藤島地区,松本地区などからも要望書の提出があったと聞き及んでおります。各地区からは,地元の地区への早期設置を強く求められております。 そこで質問です。 本市の3つの候補地について,いつまでにどのようにして一つに絞り込んでいくのか,またその他の候補地は検討しないのか,御所見をお伺いします。 次に,明新地区や中藤島地区が,この新駅設置と併せて要望している都市計画道路高木灯明寺線の整備についてでございます。 高木灯明寺線は,接続する高木市場線が国道8号からフェニックス通りまで全線整備されて以降,交通量が非常に増加し,朝夕の通勤・帰宅時を中心に,非常に混雑する状況となってきております。 そこで質問です。 今年度は,全国道路・街路交通情勢調査を実施すると聞いておりますが,前回調査と比べ高木灯明寺線の交通量はどう変化しているのでしょうか,お伺いします。 現状でも交通量は増えていると思われますが,今後,福井森田道路の供用開始に伴い国道416号がさらに渋滞することが考えられ,東西方向の道路交通を処理する上で,高木灯明寺線の整備はますます必要性が高まると考えます。 そこで質問です。 新駅が設置される場合には,当然,新駅の整備と併せて高木灯明寺線も整備されると思いますが,仮に新駅が設置されない場合,高木灯明寺線の整備はどうなるのか,お伺いします。 また,高木灯明寺線の整備に当たって特にネックとなっている鉄道交差部の整備並びに明新小学校付近の道路拡張については,多くの時間と費用を要することは理解しています。 そこで質問です。 現行のアンダーパスによる計画を平面交差にするなど,早期整備に向けた検討を行わないのか,また道路幅等計画の見直しや車両規制についても検討を行わないのか,御所見をお伺いします。 次に,先日開催されました県都にぎわい創生協議会において,「福井駅周辺アリーナ構想」,「スポーツ,文化拠点」,「県,市,会議所合意」との新聞報道がなされ,すぐにでも建設が始まるような新聞の見出しに混迷された方も多いと思われます。 新型コロナウイルスの新たな変異株,オミクロン株など,これからの感染を抑え込むことができたとしても,新幹線開業とともに国外から顧客が押し寄せてくるという期待もコロナ禍では薄くなっております。そこで,国内に目を向け,歌劇団,劇団,シアターなどのエンターテインメント施設,もしくは近年多くなりました企業名のついた球場,スタジアムや,今定例会で紹介がございました仙台市のゼビオアリーナ仙台など,企業が建設し経営,運営する施設を誘致することが一番望ましいのではないかと考えます。 県内では,65歳以上の方が3割を超えました。有効求人倍率は連続で日本一となっておりますが,見方を変えれば,就職・転職希望者がいないとも受け取れます。 製造業,物販業への希望者は少ないのではないかと思われますが,エンターテインメント施設ならば希望者が増える可能性もあります。 午前中の商工労働部長の答弁で,企業誘致に対し東村市長自らがトップセールスを行うとのことでしたので期待しております。高齢者の娯楽も増します。 財政再建下において,本市主体での大きなプロジェクトは到底実現不可能と感じておりますが,新幹線が開業すれば,利便性が高まり日帰り需要も増えると思われ,立地,アクセスがよければ県内外からの誘客が増えるのではないかと考えます。 また,先ほども述べましたが,並行在来線のことも忘れてはならない事業です。別の路線ですが,「えち鉄支援5年で35億円」,「県,沿線単年度の負担増」と,沿線市町の経営支援が増えることは事実です。並行在来線の利用促進についても併せて考えなければなりません。 今回の明新地区の新駅候補地は,周辺に田園が広がるなど,まとまった規模の土地があり,新駅による公共交通の利便性を生かすことで様々な施設の誘致への夢が広がる場所だと考えます。 そこで質問です。 企業誘致も視野に入れていただき,課題も多いこれからのまちなかにおけるアリーナ機能等の整備について,市としての今後の見通しと,どのように受け止めているのか,御所見をお伺いします。 新幹線開業は,本市の発展にとって重要な節目であり,この百年に一度のチャンスを生かし,福井駅周辺の開発だけでなく均衡ある地域の発展が不可欠であると考えます。 建物等では,棚上げになっております文化会館の建設や併設をはじめ,老朽化した庁舎や学校など,公共施設の改築,建て替え,移設,取壊し,跡地利用など,戦略的な取組をお願いしたいと思います。 次に,職員採用についてお伺いします。 住民基本台帳を基に,毎月1日時点の人口統計を公表していることは御存じだと思いますが,ついに福井市の人口が11月1日時点で25万9,979人となり,26万人を切りました。12月1日時点では25万9,795人となり,1か月でさらに184人減少しました。11月は前月比で男性がマイナス11人,女性がマイナス92人と自然減の様相を見せていますが,世帯数は21世帯増加しており,核家族化が進んでいるようにも思われます。12月は前月比で男性がマイナス64人,女性がマイナス120人とやはり自然減の様相を見せています。世帯数もマイナス16世帯と減少はしましたが,その中には外国人世帯も含まれておりますので,33世帯がコロナ禍の影響を受けて多くの世帯が減少したとも思われます。 さきの新聞報道では,県全体の65歳以上の方が3割を超えたとのことでしたが,本市は29.37%でした。後期高齢者は15.12%,80歳以上の方が9.85%と高齢化は進んでおります。 さらに,本市が公表しております将来人口推計によりますと,2035年には25万人をも割り込み24万9,301人,65歳以上の方の割合は33.82%,さらに10年後の2045年には23万4,380人で,65歳以上の方の割合は37.45%となると予想されています。 そのような本市は人口減少を防ぐため,積極的に移住・定住の促進並びに企業誘致を行い,日々努力しておられると思います。 そこで質問です。 コロナ禍でテレワークが盛んになっていることで福井県への関心が高まっており,総務省が10月29日に発表した,2020年度中に自治体が受け付けた移住・定住相談件数は,福井県が何と全国2位との報道がありましたが,昨年度並びに本年度上半期の移住・定住並びに企業誘致の問合せ件数と実績を教えていただきたいと思います。 そんな中,今年も福井市職員採用試験が行われました。62人の前途ある優秀な職員を採用されたかと思いますが,移住・定住並びに企業誘致を促進しているにもかかわらず,試験案内を見ると,福井市在住の方や,採用後福井市へ居住する方への加点などがないようでございます。県並びに,職種は違うと思いますが県人事委員会が実施する警察官採用試験では,柔道または剣道の有段者に対する加点や,TOEICの点数に応じた加点があります。 先月,京都市が2028年度にも財政破綻かと新聞で報道されておりましたが,職員採用にも多くの対策を施しているようです。北海道の各市に多く見られましたが,各市独自の職員採用で市内に住むことで優遇している採用もあるようでございます。 私たち市議会議員は,公職選挙法に基づき,25歳以上かつ3か月以上その区域内に住所を有していることを要件として選挙に臨みますが,他の市町村に住所を移転したときは被選挙権を失い,それに伴って議員の身分も失います。 これからの採用につきましては,人口減少への対策や移住・定住の促進並びに空き家対策,そして過疎地域対策にもなるのではないでしょうか。 また,市外在住の現職員にも,ふるさと納税だけでなく,移住・定住希望の方々にこれまで以上に手厚くサポートすることも必要かと思います。 今年度中に全戸配布される予定のハザードマップには,新たな避難所が明記されております。災害が発生した場合,市民の安全・安心のため,避難所対応員として敏速に避難所を開設する役割を担う職員が配置されております。 また,地域担当職員は,地域専門職員,地域担当サポート員で構成され,各公民館区域において地域のサポートに従事しております。当然のことながら,市民は地域に密着したサービスを望んでいるのではないでしょうか。 さらには,ホームページに記載がありました一般行政職の平均給与月額から現在の市民税を算出してみますと,年間20万円程度の納税が見込まれます。退職しなければ生涯でおよそ800万円の税収となります。 福井市外にお住まいの職員の割合は約2割と聞いておりますので,単純に一般職に絞って計算しますと年間9,000万円もの市税が市外に納められていることになります。職員の皆さんはふるさと納税に御協力していただいているとは聞いておりますが,返礼品はもらえると思いますので,3割減となると思われますし,ふるさと納税もいつまで続くかは不明でございます。 さらに,交通費も私の住む明新地区を中心に考えますと,えちぜん鉄道での比較ですが,鷲塚針原駅から福井駅までの単価が最安値となる6か月の通勤定期で8万5,270円,仮に三国港駅から出勤されるとなれば,同じ6か月の通勤定期で12万9,600円と,年間で8万8,660円もの差が生じます。仮に交通費の差額を全員が2万円程度としますと,合わせて1億円もの差が生じるのではないでしょうか。あくまでも現時点での比較ですが,市民へのサービス,緊急時の対応,財政再建下の中であり一人でも多くの方にこの福井市に住んでいただくためにも,これからの職員採用を見直すべきだと考えます。 そこで質問です。 今ほど提案させていただきましたが,市民へのサービス,緊急時の対応,財政再建下の中でもあり,税収アップ,交通費等の削減にもなりますので,一人でも多くの方にこの福井市に住んでいただくためにも,今後どのように職員採用を行うのか,御所見をお伺いします。 人口は26万人を割っているのが現状です。また,新幹線の開業が間近に迫っております。一人でも福井市民を増やすための策として,職員採用の見直しをぜひとも御検討いただければと思います。 以上で読み上げでの一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 (総務部長 塚谷朋美君 登壇) ◎総務部長(塚谷朋美君) 職員採用についてお答えいたします。 まず,昨年度と今年度上半期の移住・定住並びに企業誘致の問合せ件数と実績についてお答えいたします。 本市の移住相談件数は,昨年度上半期が94件,今年度上半期が258件と,約3倍に増加しております。また,移住者数は,昨年度上半期が129人,今年度上半期が238人と,109人の増加となっております。 次に,企業誘致に関する相談についてですが,立地に向けた具体的な協議を行った県外企業は,昨年度15社,今年度上半期で5社となっております。 また,企業誘致の実績は,昨年度1社で,今年度上半期の実績はございませんが,今月10日には東京に拠点を置くIT関連の企業が本市及び県の助成を活用し,中心市街地に新たにオフィスを開設する予定でございます。 次に,一人でも多くの職員に福井市内に住んでもらうため,今後どのように職員採用を行うのかについてお答えいたします。 本年11月1日時点の福井市内に居住している職員は,全体の約8割に当たる1,828人おり,これらの職員が中心となって,市外に居住する職員も含め地域課題の解決をサポートする地域担当職員や災害時の避難所運営等を行う避難所対応班員を担っております。 御提案のございました本市在住者の増加につながる職員採用につきましては,例えば市内居住を受験資格とすることなどが想定されますが,地方公務員法第19条におきまして,受験者に必要な資格は,職務の遂行上必要であって最少かつ適当な限度の客観的かつ画一的な要件を定めるものとされております。具体的には,年齢や学歴のほか,保育士や保健師などの資格専門職の免許などが該当することとなります。したがいまして,市内居住を採用試験の条件とすることにつきましては,この規定を踏まえた職務遂行上の必要性の有無,さらには憲法で保障された居住の自由や,平等取扱いの原則を定めた地方公務員法第13条との整合性を考慮した上で,慎重な判断が必要であると認識しております。 (都市戦略部長 桑原雄二君 登壇) ◎都市戦略部長(桑原雄二君) 新幹線開業に向けたまちづくりの御質問のうち,まず並行在来線開業に向けた今後のスケジュールについてですが,今年10月に福井県並行在来線経営計画が策定され,年内には福井県並行在来線準備株式会社が鉄道事業許可を受ける予定となっております。経営計画を踏まえ,来年7月頃には現在の準備会社から本格会社へ移行し,令和5年度夏頃には運賃などの認可申請を,冬頃には開業時運賃やダイヤの公表を行う予定となっております。 現在は,今月1日から来年1月16日までの期間におきまして,誰からも分かりやすく,長きにわたり親しまれる鉄道となるよう,社名案を広く公募しているところでございます。 次に,新駅設置に関する取組についてですが,今年度は福井県並行在来線経営計画及び福井県並行在来線地域公共交通計画におきまして,福井駅-森田駅間での新駅設置の検討が盛り込まれました。このことにより,新駅を設置する際の財源として国から支援を得ることが可能となります。 さらに,昨年度に実施しました新駅設置可能性調査の結果につきまして,松本地区,啓蒙地区,中藤島地区,明新地区の役員の方々へ説明したところ,各地区から新駅設置に対する強い御要望をいただきました。地区説明や要望の際には,利用者の見込みを十分精査してほしい,パーク・アンド・ライド駐車場の検討が必要などの御意見をいただきました。現在は専門家の御意見も伺うなど,候補地の絞り込みに向けた検討を行っているところでございます。 次に,候補地の絞り込みについてですが,新駅設置につきましては,最終的に会社が決定することになっております。本市といたしましては,現在の3か所の候補地を1か所に絞り込み,会社に提案するため,来年度,利用者となり得る市民の皆様の利用意向などを把握するため,候補地周辺にお住まいの方や企業に向けましたアンケート調査を実施いたします。あわせて,検討会を設置し,専門家などの御意見をいただきながら十分に議論し,来年度には候補地を決定していきたいと考えております。 なお,その他の候補地の検討についてですが,新駅設置の要件といたしまして,県は,駅間距離がおおむね4キロメートル以上であること,新駅周辺に住宅や高校,公共施設などがあり定期的な利用者が見込まれること,技術的に整備が可能であること,長期的に増収に資することとしております。この要件を基に,昨年度,福井駅-森田駅間におきまして技術的な設置の可能性を調査し,駅舎やホームの設置に支障とならない場所で,かつ駅へのアクセスが便利な場所を十分に検討した結果,現在の3か所を候補地といたしました。 続きまして,都市計画道路の御質問のうち,まず高木灯明寺線の交通量の変化についてお答えいたします。 先月10日に実施いたしました調査の速報値では,午前7時から午後7時までの12時間交通量で7,807台でございました。前回,平成27年に実施した調査の6,680台と比較いたしまして1,127台増加しております。 次に,仮に新駅が設置されない場合の高木灯明寺線の整備についてお答えいたします。 本線は,通称フェニックス通りと芦原街道を結ぶ重要な路線として平成3年3月に都市計画を決定し,福井市都市計画マスタープランにおきましても幹線道路を補完する補助幹線道路に位置づけております。自動車交通量が増加していることからも,新駅の設置にかかわらず当該道路の整備は必要だと考えております。 来年度,未整備の都市計画道路について,全体で再評価を行い,整理していく予定でございます。 次に,早期整備に向けた検討,道路幅などの計画の見直しや車両規制の検討についてお答えいたします。 アンダーパスによる計画を平面交差にすることについてですが,本線の交通量が増加していることや,新駅が設置された場合,ピーク時におけます1回当たりの踏切遮断時間が増えることから,現時点では現計画にありますアンダーパスによる鉄道との交差が望ましいと考えております。 しかしながら,アンダーパスによる整備は時間と費用がかかることから,今後の新駅の動向,周辺の土地利用の状況を踏まえ,整備手法につきまして関係機関と協議に取り組んでまいります。 また,道路幅員の見直しや交通規制につきましては,特に地元の意向を踏まえ,警察など関係機関と協議してまいりたいと考えております。 (商工労働部長 寺井道博君 登壇) ◎商工労働部長(寺井道博君) まちなかのアリーナ機能についてでございますが,この整備に関する現状での考え方につきましては,今村議員,田中議員にお答えしたとおりです。 北陸新幹線福井開業により,本市と首都圏が直接結ばれる好機に合わせ,今後より一層,交流人口,関係人口の創出,拡大が重要となってまいります。この好機に合わせた,大都市圏をはじめ県外からの集客施設として,また市内外から訪れる人の交流の拠点として,広域的かつ多機能な集客の場を設けることについては,市全体の活性化にとって必要な考え方であると認識しております。 例えば,スポーツ,音楽,コンベンションなどが行われるアリーナ的機能は,これからの本市のまちなかに求められる新たな機能の一つであると言えるものであります。このような機能を持つ場の整備に加えまして,都市圏からの集客につながる魅力的なイベント等を恒常的に行うことは,行政単体で取り組むことは難しく,やはり民間の力,ノウハウが必要となってくるものと考えており,他都市の事例においてもそうした取組が見られるところであります。 今後,本市におきましても,アリーナ機能が整備される場合には,施設整備及び集客事業に一体的に取り組む民間企業を誘致することも視野に入れながら,検討を進めることが必要と考えております。 (5番 寺島恭也君 登壇) ◆5番(寺島恭也君) 御答弁ありがとうございました。 まず,職員採用について,財政部長にちょっとお聞きしたいと思います。1億円の増収または経費削減ということを先ほど言わせていただきました,市民税と交通費。この1億円というのは市にとって大きい金額でしょうか,それとも少ない金額と思われますでしょうか。その点についてお聞かせ願います。 ◎財政部長(田口春彦君) 1億円という金額でございますけれども,令和2年度の市税収入が445億円でございますので,大体0.2%ぐらいかと思います。非常に貴重な財源といいますか,金額だと考えます。 (5番 寺島恭也君 登壇) ◆5番(寺島恭也君) ありがとうございました。1億円は非常に大事だというふうに言っていただけて助かりました。 先ほど総務部長から,法律があるからという御答弁をいただきましたが,その法律も非常に大切かとは思いますけれども,福井市の財政というのも非常に大切なのではないでしょうか。 そこで,一番手っ取り早いと言っては失礼ではございますが,職員採用に目をつけ,このように言わせていただきました。 現在の職員数のことをとやかく言っているわけではございません。40年かけて市の職員全員が福井市に住んでいただければ非常にありがたいのではないかという思いから,このことを質問させていただいた次第でございますので,何とぞ長い目で見ていただきたいと思います。職員採用並びに移住・定住の促進につきましては,福井市の人口は今25万人台になってしまいましたけれども,安心・安全なまちづくりのために,この人口の中から職員を採用していただく,また東京,大阪,関西方面など,いろんなところに出ていった学生たちを呼び戻していただくための方策にしていただければと思いまして質問させていただきました。これはあくまでも要望でございます。 次に,私が住む明新地区には,学校以外の公共施設は一つもございません。なおかつ,大きな工場は1つしかございません。 ハザードマップを配りますと,私の地元には3階建ての建物が非常に少のうございますので,明新小学校か灯明寺中学校に避難することになります。80歳以上の高齢の方々は何人いると思われますか。うちは2,000人ほどおります。子どもたちは全部で1,500人ぐらいしかいません。附属中学校を合わせても2,000人としましょう。1階,2階,体育館には避難できません。その方たちはどこに行けばよいのでしょうか。そういうことも考えていただき,アリーナにつぎ込むお金があるのであれば,そういうところの施設の拡充もしていただければと思いますので,何とぞ御検討いただきたいと要望いたしまして,私の一般質問並びに今年最後の一般質問を終わらせていただきたいと思います。どうも御清聴ありがとうございました。 ○議長(皆川信正君) 以上をもちまして通告による発言は全部終了しました。よって,市政に対する一般質問を閉じます。 以上で本日の議事日程は全部終了しました。 これをもちまして散会します。             午後3時18分 散会 地方自治法第123条第2項の規定により,本会議の顛末を証するため,ここに署名する。福井市議会議長福井市議会副議長署名議員署名議員...